出版社にあなたの本を出したいと思わせる方法
本の出版を志している人の中には、出版社の賞に応募したり、出版社に原稿を持ち込んだり、はたまた「小説家になろう」などの小説投稿サイトに寄稿し続けている方も多いです。
そしてそのほとんどは、出版に至らないのが現実です。
有名なあの小説より面白いのに・・・
周りの友達には評価してもらえているのに・・・
なんで私の本は出版まで至らないんだろう・・・
あなたもきっとこんな悩みをお持ちだと思います。
実は出版が出来ない理由の多くは「出版社の観点を知らずに文章を書いている」事にあります。
どういうことか、以下説明をしていきましょう。
面白い文章を書いたのに出版が出来ない例:
あなたは、面白い本を書いて、出版社に持ち込みました。
友人からも面白いと言ってもらった自信のある内容だったのですが、1ヶ月経っても2ヶ月経っても音沙汰がありません。
出版社に「先月送った私の原稿の評価はどうですか」と電話をしたところ、「う〜ん、あれね・・・、なんというかまあ、いまいちだったんだよね」と要領を得ない返事が帰ってきました。
釈然としないまま、相手にされなかった事実に酷く落ち込みました・・・
実はこれ、あなたの本がつまらなかったのではなく、原稿を受け取った編集者は単に忙しかったのです。
そして、あなたの持ち込み原稿をザーッと流し見、あまり心に刺さる内容ではないなと判断し、放置していただけだったのです。
実は持ち込み原稿から出版に成功している多くの著者の方々は、編集者が忙しいことを見越して原稿用紙1-2枚程度の「概要」も添えて原稿の持ち込みをしています。
その観点がなかったあなたの本は、そこまでちゃんと読んでもらえなかったというわけです。
これはよくあるパターンです。
また、こんなこともあるでしょう。
あなたの本は力作で、友達みんなが面白いと言ってくれている小説です。
この小説を出版社の賞に応募しました。
一方出版社サイドでは、あまりに多くの応募が来るので、まずは選考委員が見る前に「下読み」のバイトに目を通させました。
下読みさんは数多くくる応募をふるいにかけるのが仕事ですが、効率良く作品を判断するために、文学作品の体をなしていないレベルの低い作品をどんどん弾いていくことにしました。
「ら抜き言葉」が多いな・・・やたら「、」が多いな・・・。
一般的な編集の基礎を知っていれば「ら抜き言葉」や読点(、)が多いというミスは起こさないのですが、独学で小説を書いていただけのあなたはそのようなことはつゆ知らず、あなたの小説は選考委員の目に止まるまでもなく下読みさんに捨てられてしまいました。
これもよくあるパターンです。
なお、賞の応募で読まれずに捨てられる作品は約90-95%とも言われています。
なお、他にもこんなケースもあります。
確かにこの高校を舞台にした恋愛小説は面白い。
面白いが、今の出版市場を分析すると、高校を舞台にした恋愛小説は小売単価が低くなりがちな傾向にある。
また小説家になろうなど、ネット投稿サイトには実は高校を舞台にした恋愛小説が多く寄稿されているので、このジャンルは紙の本では売れなくなってきた。
もっと切り口を特徴的にしないといくら面白くても市場は購入してくれない。
出版社の売り上げの観点から考えればこの本の出版は見送るべきだな。
せめて、この作者が例えば中学か大学を舞台にした恋愛小説を書いていたら、それだけで出版の打診をするという判断をしたかもしれないんだけどなぁ。
編集者の立場からすればこのような判断は往々にしてあり得ることです。
出版社も商売です。
いくら面白くても、売れない原稿を出版することは、会社として出来ません。
このように、出版社の人間の立場に立って考えていれば事前に回避できた問題に、下調べをしないで突っ込んでいく人があまりにも多いです。
出版出来ない著者のほとんどは編集者の観点を知らない
えっ、そんなミスはしないって?
実は、ここまで挙げた話は話を分かりやすくするために書いた典型的な例です。
実はもっと色々な理由で出版をしたい著者と編集者のすれ違いは起きています。
例えば、出版社の編集会議でどのように出版する本、しない本が決められているか知っていますか?
どういう著者が「この方と一緒に仕事をしたい、この著者の本を世に出すために俺は頑張るんだ!」と編集者に思ってもらえるか知っていますか?
編集者さんの立場に立とうともしないで「私は良い作品を書いたからきっとヒットする!」と独りよがりになっている人のなんて多いことでしょうか。
だから出版社の観点を是非知って下さい。
出版社の人間が何を考え、どういう行動原理で出版する作品を選び、どのような過程で作品を世に送り出すのか、出版社の目線での話を事前に知っておくことで、あなたは出版までの過程をスムーズにし、競争率の高い競争を勝ち抜き、編集者さんからは協力的な態度で助けてもらえ、発売後も出版社が営業に協力してくれるようになります。
編集者の観点は、出版社の編集者の友達がいれば相談して教えてもらってください。
また、各出版社は良い作品を求めているので、出版したい人に向けて出版案内を送付してくれることが多いです。
その資料には出版に関するその出版社の考えがありありと書いてあることが多いです。
例えば、みなさんご存知の文芸社の資料が非常に参考になるので、出版を検討している方は資料を取り寄せてみるのがおすすめです。
*こちらから文芸社の出版に関する資料請求が可能です。
いずれにせよ、資料請求だけなら無料なので、本の出版に関する知識や出版までの流れを把握する意味でも、本の出版に興味のある方は、こちらの出版パンフレットを入手しておくことをお勧めします。
「己を知り敵を知れば百戦危うからず」という諺もあります。
編集者は敵ではなく、あなたが向き合うべき相手です。
編集者の観点で物事を考えられるよう、まずは編集者に関する情報に触れられるようアクションを起こしてみてください!