自費出版の印税はどのくらい?商業出版とどっちが得なのか?損益分岐点は何冊?
印税率は一般的にどれくらい?
印税とは著作権者が出版社などから受けとる金銭のことです。
つまりは本の使用にかかるロイヤリティのことで、「著作権使用料」とも呼ばれます。
印税は出版本の売上の10%弱と一般的には言われており、実際ほとんどのケースで7〜15%程度の範囲に収まっているようです。
なお印税率は、著者の知名度や書籍の専門性によって異なります。
出版社の立場では、実際の売上が判明しない時点で著者に支払う額を約束しなければいけません。
したがって、当然ベストセラーを連発している有名人や、大学教授向けには初めから高い印税率を約束できます。(大学教授は著書を講義で使うことが出来るのである程度の売上を担保出来ます)
いずれにしても、超有名人であれば印税率が20%を超える場合もあるようですが、一般的に印税率は10%弱と設定されることが多いです。
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そもそも印税とは何?(印税と売上還付金)
印税(著作権使用料)は商業出版において使用される用語です。ロイヤリティということもあります。
商業出版では、出版に要する費用を出版社が負担します。
その著作を商品として使用する見返りとして、出版社が著者に「売上のxx%」の支払いを約束するものです。
そのため、出版に要する費用を著者が負担して出版する「自費出版」の場合、著作権を保持するのは著者自身となるため、印税ではなく「売上還付金」と言うことが多いです。
参考:本を出版したい人が出版社の編集者に興味を持ってもらえる依頼方法 まとめ
自費出版の場合売上還付金はどれくらい?
自費出版の売上還付金は、契約にもよりますが、売上の50-70%程度となる場合が多いようです。
例えば、かかる費用を出版社に先払いし(100万円等)、取り決めた冊数を刷った場合(500冊等)、取り決めた冊数までの売上は全額貰えることが多いです。
しかし500冊を超えて増版となった場合、売上を全額著者還元してしまっては製造コストや流通コスト分出版社が赤字になってしまいます。
そこで、ある一定の冊数以上売れた場合は、売上の50%等と売上還付金の率をあらかじめ取り決めておくケースが良く見られます。(増刷を見込み、初版の1冊目から売上の50%といった価格設定をするケースもあるようです)
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自費出版と商業出版の売り上げの比較。どちらが儲かるのか?
実際に例を挙げて考えてみましょう。
■商業出版の本:
一冊1,500円で印税8%。■自費出版の本:
一冊1,500円で印税50%。初期費用100万円。
上記のケースだと、1,587冊以上売り上げれば自費出版の方が得になります。
*あくまで参考としてのモデルケースです。印税率も本の価格も出版社によって異なります。
参考:作家の年収アップは可能?難しい?「小説家になろう」の作家やライトノベル作家の年収はどれくらい?
本の売り上げを気にするなかれ。出版の価値はブランディングだ!
ここまで印税(及び売上還付金)について説明して参りました。
多くの方は、出版を検討しており、その印税額について調べたかったのかと思います。
しかしここで1つ主張させてください。
印税や売上還付金を目的に出版をするのは、実は非常にもったいない行為です。
実際、利益がさほどでなくとも、出版をしたという事実が貴方にもたらす恩恵は計り知れません。
■出版することで得られる恩恵:
・名刺よりはるかに強力な自己PRになる(割合で言えば出版経験は東大卒よりレアです)
・就職に有利になる(「本を書いた」エピソードは面接官も驚きます)
・自分自身をブランディング出来る
・営業活動で使える、ビジネスを起こせる(セミナーを開いたりも出来ます)
・仕事のオファーが来る
・自慢出来る、カッコいい(意外と重要な要素です)
・親孝行になる(実際にやると分かりますが、親は感激します)
このように、出版の副産物による利益は印税を大きく上回るものです。
また一度本を出しておくことで、新たな出版の機会を得られることもあります。
自ら出版社に出版の希望を伝えに行く際も、実際に本を出した実績があるだけで出版社も安心するでしょう。
従って、印税額や出版形態に囚われず、まずは何でも良いので一度出版をしてみることが実は長期的目線では重要だったりします。