出版社に提出する本の企画書の具体的な書き方(送付状の書き方も)
出版社に送る本の「企画書」とは何なのか
「出版社へ応募」「出版社へ持ち込み」と言われると、ついつい完成された原稿をと思ってしまうかもしれませんが、実は出版社が持ち込みを受け付けているのは完成原稿ばかりではありません。
原稿の前段階──いわゆる「企画書」が歓迎されるケースがままあります。
その理由は、やはり出版業界の仕事の煩雑さ、編集者の忙しさが理由でしょう。
いくらプロで慣れているとはいえ、200枚〜400枚の原稿に目を通すのは大変です。
そこで、ごくシンプルに、かつ練り上げられた企画書であれば、編集者にもさっと目を通してもらえ、判断してもらえやすくなります。
実際、募集要項に原稿ではなく、「企画書募集」としている出版社もあります。
本の企画書とは具体的に何を準備すればいいのか
仕事上では「企画書」という言葉をよく使用する、という方は多くいらっしゃるでしょうが、そのビジネス上の企画書とほぼ同じものです。
実際に出版社に送る企画書のセットは
(1)企画書
(2)原稿のサンプル
と、非常にシンプルなものです。(最終段階では、送付状をつけましょう。重要です)
(2)の原稿のサンプルですが、「企画書なのに原稿のサンプルも添付しなければならないのか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
これは、極力あったほうがいいでしょう。
出版社もこれがあれば、あなたの大体の文章力を把握できます。
あくまでもサンプルですから、こちらは完成された原稿を送る必要は全くありません。
冒頭の10枚程度(4,000字)でも構いませんし、もしくは「ここが一番書きたかった部分だ!」というように思いれのある部分からの抜粋でも構いません。
とにかく、実際に原稿を執筆し始めたときには、こういった雰囲気になる、ということがわかってもらえればいいのです。
■プレゼン資料の観点が参考になります。
企画書と併せて送付する「原稿サンプル」の構成は?
原稿のサンプルの中身ですが、実際にはサンプル原稿をそのまま添付するわけではなく、幾つかの準備が必要です。
出版社へ送る際の原稿サンプルの中身は、もっと詳しくみると
目次
↓
表紙
↓
原稿サンプル(本文)
という、三つの組み合わせで作成されていることが好ましいです。
実際に執筆するときには、原稿が先でも、企画書が先でもどちらでも構わないのですが、どちらにせよ、初期段階で大体の構成を決めていなければなりません。
お手元にある本の目次を開いてみてください。
はじめに(序)
第1章(大テーマ)
──◯◯◯(小テーマ1)
──◯◯◯(小テーマ2)
第2章(大テーマ2)
──◯◯◯(小テーマ1)
──◯◯◯(小テーマ2)
このように、一目見て全体の構成が把握できるようになっています。
これが企画書にも添付できているとベストです。
出版社側にも構成全体が伝わりますし、また目次を作成することが一種のアウトプットになり、頭の中がすっきりと整理されていきます。
そして、「表紙」ですが、表紙という名前で呼んでいるだけなので、別にデザインに凝る必要は全くありません。これが本物の表紙になるわけではないのです。
記入するのは、
「本のタイトル」
「キャッチコピー」
という程度で構わないでしょう。
キャッチコピーを自分で考えるのは、少し恥ずかしいかもしれませんが、頑張って考えてみてください。
本の中身を一言で伝えられる言葉は添えられていると、やはり印象は全く違います。
参考:出版社の目に留まり採用される企画書に共通する「目次の構成」と作り方を教えます
出版社に送付する送付状、書き方とテンプレート
これは最終段階の話ですが、「企画書本体」「原稿のサンプル」が揃ったところで、いよいよ送付状(送り状)を作成します。
これはビジネス上でもよく使われる類のものを改変させても構いません。ごくごく、普通のものです。
簡単な例を一つ記載します。
————————————-
◯◯出版社様原稿の企画書を送付させていただきました。
企画書と原稿のサンプルをお送り致しております。
お忙しい中大変申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。名前
連絡先
————————————–
この程度でも構わないのです。
送付状では、失礼のない程度に、必要な事柄だけを簡潔に述べることが大切です。
送付状はアピールの場ではありません。こういった気持ちで書いた、こういう人のために書いた、こういう人に読んでもらいたい、ぜひ御社で出版したい・・・などと、熱意を込めて書く必要もありません。
送付状は「この封筒にはこれとこれを入れていますよ、確認してくださいね」ということを伝えるためのお手紙の代わりですので、シンプルでOKです。