出版社に送付する企画書の書き方と、持ち込み打診時のメールの書き方(テンプレート)
出版企画書の作成方法と、企画書送付時(と持ち込み打診時)のメールテンプレートを紹介します!
これまで本を書いたことも、2万字(原稿用紙50枚分)以上の文章を書いたこともない執筆素人の方が「本を出したい」と思ったときに取ることの出来る行動の1つは、出版社に送る企画書を作ることです。
本一冊を書き切るのは非常に大変ですが、本の要旨とアピールポイントをまとめた企画書を作るのは、それに比べると容易いからです。
本を出版するための第一歩として「企画書の作成、出版社への送付」を検討している方のために、この記事では、企画書の書き方や具体的な企画書の持ち込み方、持ち込み打診や送付時のメールの書き方を解説します。
参考:マーケティングを理解した企画書で出版を勝ち取ろう!出版社に持ち込みする企画書の書き方
企画書を書く際は「必須4項目」だけはしっかり抑えよう!
「本の企画書」がイメージ付かない方も多いと思いますが、実は非常に簡単です。
以下の4項目を押さえた内容をWordで作れば十分です。
■企画書に必要な4項目:
・本のタイトル(仮題)
・要するにどういう本を書きたいのか(要約)
・誰に読んでほしいのか(読者層)
・この本で何を伝えたいのか(本を世に出す目的)
なお、可能であれば、「見出し」や「構成案」も含めた方が、あなたが書きたい本の内容が良く伝わるでしょう。
なお、フォーマットはあまり気にしないで良いです。
執筆素人が書いた企画書は毎日の様に出版社に持ち込まれていて、そのフォーマットも当然ばらばらですから、本の企画書のフォーマットは実質あってないようなものです。
編集者の観点から言っても、持ち込み企画は「おそらく執筆素人さんが書いた企画書だな」と認識して読むので、フォーマットに関してはさほど気にされることはありません。
もちろん読みにくく何が言いたいのか分からない企画書は言語道断ですので、上記4項目を単純に整理して書けばそれで十分です。
なお、企画書作りをすると、「ああ、自分はこういう本が書きたかったんだ」と言ったことも整理されるので、自分の脳内整理にも一度このプロセスを挟んでみても良いかもしれません。
参考:目次の書き方次第で、あなたの企画書を出版社が採用してくれるかどうかが変わります。
企画書は持ち込みで編集者に渡せばいいの?郵送や持ち込みをする際のメールの書き方【持ち込み企画】
本の企画書を作成したら、出版社の編集者に渡して読んでもらう必要があります。
渡し方は、郵送か持ち込み(持参)のいずれかです。
なお、いずれの場合も、先に出版社にメールか電話で問い合わせをしてから実際の原稿を渡すべきと思います。(メールアドレス、電話番号は出版社のホームページから見つけることが出来ます)
メールの場合は以下のような文例が良いでしょう。
■企画書の郵送・持ち込み打診のメール文例:
xx社 ご担当社様
突然のご連絡恐れ入ります。
出版を希望しており、本の企画書を作成致しました。
突然のお願いにて大変恐縮ですが、編集者の方に拝見頂きたく存じます。
企画書の提出方法に付きましてご教示頂けますと大変幸いです。
何卒宜しくお願い致します。
あなたの名前
メールは長く書く必要はありません。
丁寧で常識を守った内容であれば十分なので、上記の書き方をテンプレートにして記載してみてください。
電話の場合であれば、「本の企画書を作ったので、編集者の方にお見せしたいです。お繋ぎ頂いてもよろしいでしょうか」等と伝えれば、受け付けの方は編集者に繋いでくれます。
「何者か分からない人からの連絡なのに、編集者に繋いで貰えるのか?」と疑問に思われるかもしれませんが、安心してください。
超大手の出版社でもない限りは、大抵の場合、出版に関する問い合わせがあったら編集者に繋ぐ様に指示をされています。
従って電話で編集者に繋がったら「私の書いた文章を本にして頂けないかと思い、企画書を作成したのですが、郵送しても宜しいでしょうか(または、持ち込んでもよろしいでしょうか)」と伝えればOKです。
企画書を郵送した後も、持ち込んだ後も、編集者は必ず電話なりメールなりで返信をします。
(良くドラマのワンシーンで、原稿を郵送したが無視される、といったことがありますが、あれはドラマです。)
打ち合わせに進む場合でも、不採用でも、持ち込み企画書を読んだ結果を編集者はあなたに必ず伝えることでしょう。
是非編集者に「あなたの本を商業出版させて頂きたいです」と言わせられる様に、頑張って良い企画書を作成してみてください!
参考:出版社に提出する本の企画書の具体的な書き方(送付状の書き方も)
「まずは自費出版からどうですか?」と言われたら、どう返答すれば良いのか
恐らくあなたの希望は商業出版、つまり書店に並び、売れたら印税が発生する本の出版だと思います。
にも関わらず、編集者から「まずは自費出版からどうですか」と言われることが往々にしてあります。
この場合はどう返答したら良いでしょうか。
私個人の見解ですが、私はあなたが自費出版の検討をすることは「あり」だと思います。
自費出版した本の内容が優れていた場合、今後書店に並ぶ本に「昇格」することがあるからです。
自費出版本には「リアルな本」という説得力がある。
自費出版をしておけば、あなたは自分が著者の本を一冊持っていることになります。
この自費出版本を他の出版社に持ち込み、商業出版本に昇格させることも可能です。
自費出版本は編集も校正も校閲も済んでいるので、生の原稿の状態(コピー用紙に印刷しただけの状態)や企画書状態よりも、出版社や編集者からすると書店に並んだ状態をイメージし易いのです。
また、編集者や営業担当者としても、自費出版本というリアルな「現物」があると、PRしやすいのです。
出版社、出版取次会社、書店の各関係者の立場で考えてみましょう。
彼らは「これは売れないかもな・・・」という本を出版したくありませんし、書店に並べたくもありません。
加えて、「執筆素人の本は売れない」という先入観がありますので、あなたが有名人や出版経験のある人でなければ、リスクを取って書店に置こうとは思わないはずです。
ところがそこに自費出版本という実物があれば、その先入観が薄まります。
「きちんとした本」は、「どれ、目を通してみようか」と思わせる力があります。
自費出版本から昇格して書店に並ぶ様になる本が多いのは、こういう背景があるからです。
従って、自費出版も選択肢の一つとして頭の中に入れておくべきだと思います。