本出版希望者必見!出版社の仕事を編集者が解説します その1
編集者の仕事は、配属される部署によってさまざまです。
たとえば、写真集を作る編集者と辞書を作る編集者は、その作業の内容も勤務時間もまったく異なります。
また、似たような雑誌を作っていても、在籍する出版社によって仕事の内容(とお給料)が違っていたりします。
共通することは、文章やイラストなどを自分では書かずに、人に書いてもらう職業だということです。
カッコ良く言えばプロデューサー職、平たい言葉で言うと中間管理職でしょうか。
さて、当記事では、そんな編集者のなかでも、書籍や雑誌をゼロから生み出す編集者——「新雑誌企画部・書籍部」の編集者の仕事を紹介していきます。
書籍の企画・持ち込みについて:
新しい書籍や雑誌が作られるキッカケは、大きく分けて2つです。
1つは、出版社が本の企画を立てること。そしてもう1つは、外部から企画が持ち込まれることです。
新しい雑誌の出版(創刊)は、ハイリスク・ハイリターンなので、出版社が自ら企画することがほとんどです。
大抵は、経営者や役員レベルの人たちが立案します。
一方、書籍や雑誌の別冊(MOOK)などは、少人数で短期間でできるので、どの出版社も比較的気軽に出版しています。
こちらは、編集部や営業部の社員が立案することもあれば、編集プロダクションや作家といった外部の人たちから企画が持ち込まれることもあります。
外部の人たちが企画を持ち込む場合、馴染みの編集者に直接提案することがほとんどです。
編集者は、企画が持ち込まれると編集会議にかけてみます。
そして、そこで許可が得られれば本の制作がスタートです。
本の発売日は、編集会議を通過した2か月後がおおよその目安です。
ただし、テーマ的にすぐ出版したほうが良いと判断されれば、1か月後の発売になります。
1か月後に発売ですと、進行が地獄になるのは確定ですが、まあできないことはありません。
逆に制作に半年以上かかってしまう場合は、発売前にもう一度会議にかける必要がでてきます。
ブームが下火になっている可能性があるからです。
ちなみに、出版社に企画を持ち込む場合、まったく面識のない編集部にいきなり電話で営業をかけてもOKなことがあります。
ただし、編集者はものすごく忙しい時期だと、1週間ぐらい会社に寝泊まりしていて、1日平均2・3時間しか睡眠がとれていなかったりします。
運悪くそういったときに電話をかけると、まともに応対してくれません。
大抵は、「企画書をメールで送ってくれ」などと言われます。
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