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小説を書いたら絶対に推敲しよう。推敲のやり方、コツ、かける時間などを解説!(初心者向け小説の書き方の基本とルール)

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書いた小説は絶対に推敲しよう!推敲の重要性とは

小説を書きあげた!初めての小説が完成!

でもまだ終わりではありません。

実は小説を書き上げた後もやることがあります。それが小説の「推敲」です。

「推敲は時間がかかって大変だから、推敲しない」という方もいるようですが、個人的には言語道断だと思います。

この記事では必須作業である「推敲」の具体的なやり方について詳しく説明していきます。

■「初心者向け小説の書き方の基本とルール」の前回までの記事

小説の対象読者の決め方とペルソナ設定>>

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「推敲」の意味とは?言葉の由来は?

推敲とは、自分が書いた文章をすべて見直して、良くない部分を修正する作業を意味します。

読み手にとって読んで楽しくわかりやすい文章に仕上げることが目的です。

推敲という言葉の由来は、中国の故事成語です。

唐の時代、首都の長安に科挙(官吏の登用試験)を受けるために上京してきた賈島(かとう)は、乗っているロバの上で詩を作っていた。その途中、「僧は”おす”月下の門」という一句を口ずさんだ際、「推す」「敲く」のどちらの漢字が良いか迷ってしまった。

賈島はロバの手綱をとるのも忘れ、手で門を押すまねをしたり、叩くまねをしたりしていたところ、あまりにも夢中になっていたので、向こうから役人の行列がやってきたのにも気づかず、その中に突っ込んでしまった。さらに悪いことに、その行列は長安の都知事である、韓愈(かんゆ)の行列であったため、賈島はすぐに捕らえられ、韓愈の前に連れて行かれた。そこで彼は事の経緯をつぶさに説明した。優れた名文家であり、漢詩の大家でもあった韓愈は、賈島の話を聞き終わると、「それは『敲く』の方がいいだろう、月下に音を響かせる風情があって良い」と言った。そして、二人は、馬を並べていきながら詩を論じ合った。

参考:Wikipediaの内容を一部修正

上記の故事成語より、「文章を書いた後、何回も読み直して内容を練り直すこと」を「推敲」といいます。

なお参考までですが、推敲は自分で文章をチェック・修正すること、校正は他人に文章をチェック・修正してもらうことを指します。

参考:出版社の編集者はどういう観点から校正をしているのか?

早速推敲しよう。まずは誤字脱字をチェック!

推敲のやり方としては、まずはじめに書いている途中には気づいていない誤字脱字をチェックするのが良いです。

書いた小説をどこで発表するにせよ、誤字脱字のチェックは必要です。

また、誤字ではないと思い込んでいる、読みが同じで違う書き方をする漢字についても注意です。

ゆれがある漢字は、一度辞書で調べましょう。

自分ではこの漢字だと思っていたところ、もう片方の漢字が正しかったという例は、高齢になっても見られます。

たとえば「はかる」という言葉ひとつにしても「図る」「計る」「測る」など、複数の漢字が存在します。

意外に思い込みから発生する誤字が多いです。

隅々までチェックするのは大変ですが、何度も繰り返しチェックしてミスを全て潰しましょう。

コツは、文章を指差ししながら声に出して読み進めることです。

目でだけ追ってしまうと、徐々に集中力が途切れ見落としが発生します。

大変でも推敲しないという選択肢はありません。

自分の作品を仕上げるために誤字脱字は確実に無くしましょう。

参考:執筆作業に重要なアウトプットの3つのコツ 〜ストーリーテリングという手法〜

長すぎる文章も読みにくさの原因!短く分割しよう!

また、長すぎる文章が見つかったら、それを一度声に出して読み上げてみてください。

それを本当に一文で表現しなければならないかどうか、二つの結論が一文に詰め込まれていないか、確認してみましょう。

長い文章は一旦区切って、後半は別の文章として独立させることで、思いがけず綺麗な表現となります。

一つの問題提起をして、更に深い問題提起をする、それが違う文章として独立する、より良い文章として成り立ちます。

長い文章の中には、二文を一文としてつなぎ合わせているため、同じ言葉が反復して使われていることが多々見られます。

「……ので、……ので、……である。」
「……だから……だから…したほうがいいだろう。」

こういった文章がよく見られ、「ので」や「だから」が複数回にわたり使用されています。

これを二つに分けることで、スマートな文章に書き替えます。

「……ので、…であると考えられる。また……でもあるので……ともいえる」

こうして二文に分けるだけで、読みやすくなり、その文章において何を伝えたいかも明確になります。

一つの結論に向けての説明をするにせよ、一文に詰め込むのではなく、二文に分けることでダラダラ感を失くすことができます。

またより詳細なデータを次の文に盛り込む、たたみかける表現も可能になります。

会話文である登場人物のセリフも、一人で一気にしゃべる場面があるとしても、一度何らかのリアクションを差し込むなどで区切ってみてください。

数行にわたって、一人が話し続けるというのは、読むほうもくたびれます。

文章のメリハリをつけるという意味でも、そういった場所があれば、誰かの相槌を差し込んでみるなどの工夫で、視点の変化を表現することができます。

参考:図書館は本の販売を妨げているのか?

不要な文章や不自然な文章、同じ意味の文章の繰り返しを削る。

ストーリーを自然に進めることが小説の目的ですから、改めて全体をゆっくり黙読するか、声に出して読んでチェックしていきましょう。

不要な文章や、そこに入れるとしては不自然な文章は見当たらないでしょうか。

要らないと感じた文章は削除し、別の場所にあったほうがいいと感じる文章は移動させましょう。

同じ意味の文章を、起承転結のあちこちにちりばめてはいないでしょうか。

テーマを言い表す文章を、小説全体に書き散らして訴えまくっていては意味がないものとなります。

一番訴えたい文章は、その小説が山場を迎えて問題を解決しようとする場面に、主人公の言葉や行動として一気に表現し、結論となるような書き方をします。

これを何度も小出しにしていないか、注意して見直してください。

逆に、そのテーマに関して、もっと書き加えたい文章を完成させてから思いつくことがありますが、読み返してみた全体の文章を壊さない表現であり、より内容を濃くすると確信が持てるようなら加筆しましょう

肝心なのは、それまでのプロットや登場人物設定を覆さず、さらに生かすための文章を加えることです。

もっともっとと蛇足的な文章を無意味に増やすのは逆効果になるので、本当に必要な装飾となる文章を、書き漏れがあった表現を、加えるようにしてください。

参考:出版体験談・エピソード集

推敲のコツ:時間を変えて何回も推敲しよう。

この「推敲」ですが、時間を変えて何度もしてみるほうがいいでしょう。

小説を書くのは夜のほうがノリノリで書ける!という人が多く、夜にハイテンションで一気に書き進めて完成させ、夜にまた読み返して素晴らしい作品に仕上がったと大満足して、日中にふと推敲して全部消したという人もいるのです。

ハイテンションの最中に書くと、一種の酩酊状態に陥って、表現が暴走することがあります。

抑えめに表現したいところを、どんどんテンションが上がっていくため、普段の自分なら書かないような文体を使ってみたり、最初に設定した性格から逸脱した行動を登場人物に取らせてしまったり、計画通りに進まないことがあります。

そして、同じテンションのままだとそのミスに気づきません

テンションが下がっている時間帯、何かの作業が落ち着いた日中に、時間帯を変えて読み返してみるようにしましょう。

執筆の時間は、筆が乗る夜でかまいません。

それを違う時間帯に読み返して、自分の正常なテンションのときに書ける範囲内かどうか、チェックしておくことが大事です。

さらりとしたライトなラブストーリーを書くつもりが、夜中の酩酊状態で熱烈な恋愛小説に変貌してしまうこともあります。

それがむしろ完成度が高くて満足な結果ならいいのですが、せっかく完成したものが自分の感性でも恥ずかしすぎて、どこにも発表できないということもあり、時間に大きく左右される人間のリズムを理解した上で、推敲の一知識として覚えておいていただけたらと思います。

文章執筆と同じぐらい、推敲は重要な作業になります。

時間をかけてしっかり全文をチェックし、自分の中でOKが出たら、出版社なりWebなりに送り出しましょう。

参考:出版社にあなたの本を出したいと思わせる方法

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