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小説で使う文体を決めよう!地の文と会話文の文体の選び方(初心者向け小説の書き方の基本とルール)

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小説で採用する文体を決めよう。

小説を実際に書いてみたい、これから書いてみようと考えている方に、まず考えておいてほしいことは多くありますが、その小説をどんな文体で書くか、それは決まっているでしょうか?

文章を作成するときに、堅苦しく書くか自然な話し言葉で書くかどうかという点で、文語体口語体などという分類方法があります。

ざっくりと分けてしまうと、書き言葉の文語体話し言葉の口語体、と覚えておけばいいでしょう。

■「初心者向け小説の書き方の基本とルール」の前回までの記事

小説の対象読者の決め方とペルソナ設定>>

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書き言葉の文語体話し言葉の口語体。違いと使い分けについて。

これから書こうと決めている、その小説はどのような内容で、どういった雰囲気を持たせたいと考えていますか?

書く小説に合わせて、文体を選ぶのが大切です。

たとえば、恋愛メインのライトノベルを執筆するときに、「長き雨がやみ、空がからりと晴れ上がり候…」と書く人は、まずいないでしょう。

逆に、高い年齢層を狙った純文学の冒頭を、「あたし今日学校遅刻しちゃったんだー」で書き始める人もいませんね。

硬い印象の小説には真面目なイメージの文体で、軽く読めるライトノベルなどには口語体で進めるなど、使い分けてみましょう。

もちろんこれは基本なので、理解されていない人はほぼいないと思います。

ただ、グレーゾーンになる一般大衆小説では、どちらがいいか迷ってしまうことがあるのではないでしょうか。

そのときには、ターゲットとした読者の属性や、主人公を中心とした登場人物の年齢性別などから、文体を決めて書き進めてみましょう。

一般大衆小説の場合には読者層が広く、若手から高い年齢層までが読み手となる可能性があるため、文体は自然な感じで軽すぎず堅苦しくなく、を意識して書くのが無難です。

参考:プロの作家はどれくらいの執筆速度なのか?小説家がお答えします

「〜だ」「〜である」/「〜です」「〜ます」の使い分け

また、「〜だ」「〜である」で止める常体と呼ばれる書き方と、「〜です」「〜ます」調の敬体という書き方がありますが、これらと文語調や口語調を組み合わせ、作品のイメージを変えることができます。

常体ではきつくなりがちでは、と思われそうですが、たとえば女子高校生が「あたし」という一人称でストーリーを進行していく場合において、「〜だ」の常体を使う場合、口語体で執筆していけば読みやすく軽い文章になります。

例として「あたしは明日から高校二年になるんだ!どんな毎日が待ってるんだろう?楽しみすぎて眠れない」という書き出しで、堅苦しいと感じる読者はほとんどいないのではないでしょうか。

これはむしろ、主人公の女子高生の自然なつぶやきを、身近に聞いている感覚で読むことができるからです。

常体か敬体かという分類は、純文学、一般大衆小説、ライトノベルのどれを執筆するかにかかわらず、小説を作者の望み通りにイメージ付ける書き分け方法となり、上手に使い分けることで小説の雰囲気づくりに予想以上の効果をもたらします。

参考:本出版希望者必見!出版社の仕事を編集者が解説します その1

会話文に特徴を持たせることは重要。

文章を書き進めていく中で、小説の場合は、変わった手法を用いた作品でない限りは会話文が登場します。

登場人物たちの間で会話が交わされることで成り立つ「」でくくられた言葉が会話文として、特に読者の目に留まりやすい箇所です。

この会話文から、登場人物の性格や行動パターンが強くイメージされるため、会話文を繰り返し追って読む読者も少なくありません

たかが会話ですが、会話文に特徴を持たせることは、小説の作風作りにおいて、かなり重要になってくるのです。

実際に執筆が始まり、登場人物のセリフが増えて、会話のやり取りが多くなる段階で注意しなければならないのが、会話文だけでストーリーを進めてしまいがちになる点です。

二人の登場人物が会話をしていることで、今までの状況判断が進んでいく場面などで多くみられますが、会話文を繰り返すだけで沈黙していた問題が解決するという展開に陥りやすくなり、状況説明としての本文が不要になってしまいます。

会話文だけで状況を説明しながらストーリーを進める方式として、最近ではチャット式ノベルがありますが一般的な小説では会話文だけで読ませるのは無理と考えて執筆してください。

小説では人物のしぐさや表情なども含めたすべてを描写することで、読者にストーリーがどう進んでいるのか読ませていかなければならないという点を、忘れないようにしてください。

参考:なぜ94%の人が出版を諦めるのか?

本文と会話文の割合はどれくらい?会話文で気をつけることとは?

本文と会話文の割合は、一般的には会話文2割、地の文8割くらいが基本と言われています。

しかしながらこの配分は、どのような小説を書きたいかにより自己判断で決めてしまってよいです。

ただし、会話文だけになってしまう小説にならないようには注意して書きましょう。

ある特定の場面において会話文だけになってしまう、または、特定の登場人物が出ると会話文だけになってしまう、というのはよくありがちなミスです。

また、不必要に会話文を挿入しないために、登場人物が「うん」と返事をする部分を本文に変更して「〇〇は小声でうん、と答えて恐る恐る頷いた」という描写にすることで、その様子を同時に書き表すこともできるため、どうしても会話文で構成しなければならないかどうか、少し考えながら書いてみてください。

会話文が続くときには、会話文以外の本文を適宜、挿入しましょう。

読み疲れるだけではなく、カギカッコが続き、同年代の同じ性別である登場人物同士で話しているケースでは、どのセリフがどちらの言ったことか、よく分からなくなるときがあります。

これを避けるためには、登場人物の口調なども各々特徴づけておきたいものです。

どの登場人物も同じイメージの口調でしか喋っていないという失敗を、登場人物設定の段階で除外していきます。

会話文から得るイメージは重要です。

登場人物がどのような口調で何を話しているか、そしてそのセリフでどうストーリーを引っ張っていくか、小説の印象を大きく左右します。

おしゃべりな登場人物もあり、無口でセリフがほとんどない登場人物もあり、それをバランスよく組み合わせて会話文を構成することで、小説の味付けとしていくことができます。

むしろ、メインとなる肉付けといっても過言ではなく、そのため会話文でイメージを損なうと、あまり読みたくない小説ができてしまうということもあり得ます。

どの文体で書き進めるか、会話文にどんな特徴を持たせるか、文章で構成されている小説においては、重要なファクターとなるため、じっくり練り上げて執筆に臨んでください。

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