自費出版の光と闇
自費出版はうまく利用してください。
・どの出版社に企画書を持ち込んでも、採用にならなかったけれど、どうしても出版したい。
・もっと気軽に、自由に本を出したい。
そういった場合には、「自費出版」という選択を選ぶのもひとつの手段です。
実際に、自費出版には多くのメリットがあります。
・誰にでもできる
・自由に書ける
・少部数でも対応できる
・出版社によってはISBN(バーコード)をつけて書店・インターネットへの流通も可能
また、自費出版といっても、本当に様々な出版社があり、仕様があります。
どの程度まで本格的に本を作るか、というところで、その金額でもピンキリです。
・個人出版
・共同出版
・協力出版
このような名前で呼ばれていることもありますが、これらは呼び方が違うだけで全て「自費出版」のことです。
費用の全てを著者が負担するケースもあれば、何割かは出版社が負担する、といった形の契約もあります。
また増刷分はすべて出版社が負担します、というケースもあるようです。
費用を極力抑えようとした場合、何かの研究目的で本が出版される場合(大学の先生など)助成金が使用できるケースもありますが、助成金制度は一般の人にはほとんど関係のない話です。
お金さえ払ってしまえば、自費出版は基本的にはジャンルを問いません。
漫画、エッセイ、自分史、絵本、楽譜、レシピ、歌集、写真集。
(もちろん法律には気をつける必要はありますが)
ご自身の好きなように、なんでも本にして出版することができます。
この自由度の高さが自費出版の何よりのメリットです。
では、一体どのようなことがデメリットになるでしょうか?
自費出版のデメリット:心から納得のいく契約をしてください。
・自費出版には費用がかかる
ということが第一に言えることしょう。
一般的な出版では、著者の負担金額は0です。
出版社が出版に関わる全ての費用リスクを負担し、著者は印税を受け取ります。
(だからこそクオリティの高いものが求められます)
それに比べれば、費用の負担がまず著者にある自費出版。
それも、4,980円から出版できます!というような手軽なものから、100万円200万円という膨大な金額にまで登る自費出版もあります。
4980円で本当に出版できるなら「ちょっと試してみようかな」という気分にはちょうどいいのですが、本格的にやろうとすればするほど、初期投資に膨大な費用がかかってしまうことがほとんどです。
「大賞」「コンテスト」にもという言葉にも注意が必要です。
「大賞」「コンテスト」というような名目で原稿を募集し、受賞したと思ったら膨大な費用がかかってしまった・・・というケースもあります。
そんなふうに言われると、普通は賞金が手に入るのではないか、何か優遇されるのではないか、と思ってしまいますよね。
掲げられた文言のぱっと見の甘さに誤魔化されないように気をつけてください。
この自費出版の費用の相場というものが、我々素人には適正かどうかを判断する知識がありません。
「ふつうはこんなものですよ」
「うちは他社よりも良心的な価格でやってますよ」
いろんな会社と知り合っていく中、そんな言葉を聞くことがあると思います。
こんな担当者の言葉を、鵜呑みにすることだけは絶対にやめてください。
自費出版業界の中には、詐欺商法に近いブラックなビジネスというのも、残念ながら存在します。
もちろん、それが全てではありません。
「著者の書いたものを本にしたい」という熱意のある出版社があることも、確かなのです。
しかし、著者から訴訟を起こされて倒産に追い込まれた会社があることも事実です。
(著者から訴訟を起こされた例としては、2010年に倒産した新風舎が有名です)
トラブルに巻き込まれないためには、何社かを掛け持ちして費用の見積もりを積極的にとっていくのもいいと思います。
また、かかった費用の仕訳を見せてもらうのもいいでしょう。
「どこにどれくらいお金を取られているか」というのを、この費用の仕訳で確認するようにしてください。
何社かに見積もりをとっていくうちに、大体の費用の目安が見えてくると思います。
予算内に収まるものかどうかを十分に検討してください。
逆にいうと詳細を話したり見せてくれない業者・明細があまりにも大雑把な業者には十分に注意してください。
本格的な本を作ろうと思えば思うほど、お金がかかってしまうのは仕方のないことです。
どれだけ膨大な金額になったとしても、メリットとデメリットに納得した上で出版するのならいいのです。
しかし、「本を出版したい!」というキラキラした気持ちを食い潰そうとする悪徳な企業だけには、どうか気をつけてください。
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余計なリスクを排除するため、まずは自費出版の流れをしっかり把握する必要があります。
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この資料を読み込んだ上で、不明点を無くし、クリアな気持ちで執筆に取り組んで欲しいものです。