本出版ガイド

本出版の方法 持ち込み商業出版 自費出版 どれくらい儲かるのか?出版社の情報から書き方までまとめました!

楽譜は自費出版できる?費用や手順、おすすめの出版社まで分かりやすく解説します。

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楽譜の自費出版は難しい・・・お悩みを全て解決!

・自作曲の楽譜を自費出版したいものの、具体的にどうすれば良いか分からない・・・
・ピアノアレンジ曲のピースを出版したいが、著作権処理の方法が分からない・・・
・楽譜の自費出版のおおまかな費用感を把握したい・・・
・楽譜の出版はどこの出版社がおすすめか比較したい・・・
・出版した楽譜って書店にちゃんと置いてもらえるの?

昨今、上記のようなお問い合わせを受けることが多いです。

実際、ピアノの楽譜やギターのピースなど、様々な楽譜の出版の需要は大きいです。(ちなみに、ピースだけでの出版も可能です)

 

にも関わらず、出版の方法が分からなかったり著作権使用許諾許可の取り方が分からないために、出版を諦めるパターンが多いようです。

 

非常にもったいないことです。

 

この記事では、自分の楽譜を出版したい方々のために、上記に対する回答をわかりやすく説明していきます。

■この記事でわかること:
・楽譜の自費出版の具体的な流れ
・使用許諾申請の仕方(著作権料について)
・楽譜の自費出版にかかる費用の説明
・楽譜の自費出版におすすめの出版社
・自費出版した楽譜を書店においてもらう方法

なお自分で調べるのも重要ですが、苦手なことを調べて無下に時間を費やすのは勿体無いです。

 

すぐにプロである出版社に相談してしまう方が効率が良い場合も多いです。

 

当記事下部にてオススメしているパレードブックス社は、各担当が懇切丁寧なことで評判が良いです。

 

まずは出版資料を無料請求してみて、同封の名刺に記載があるあなたの担当者に電話をしてみる、というのもおすすめです。

 

■パレードブックスから無料で入手出来る資料(デザイン集サンプル本付き):

パレートブックスの出版案内は公式サイトより無料で取り寄せ可能です。

デザイン集とサンプル本が付録しています。

 

まずは一度手に取ってみると自分の出版する本のイメージが湧き、参考になります。

 

それでは、早速「楽譜を自費出版する具体的な流れ」を解説していきます。

楽譜自費出版の流れ①:楽譜の原稿を作る

手書きの楽譜で問題ないので、まずは出版したい楽譜を準備しましょう。

プロのミュージシャンや作曲家の場合、楽譜作成ソフトを使用するケースが多いです。

よく使われているのは「Finale フィナーレ」という楽譜作成ソフトです。

Amazonで1万円くらいで購入出来ます。

■フィナーレ(Finale):*クリックでAmazonのページに飛びます。

楽譜自費出版の流れ②:楽譜を清書する(編集・校正・修正)

内容に間違いがないか確認し、その後出版用に体裁を整えた楽譜に清書をします。

内容の確認は出版社の校正担当が行ってくれますが、費用を浮かせるために友人のピアノ演奏者や作曲家にお願いするのも一つの方法です。

校正が終わり次第、楽譜を印刷用に清書します。

出版社が楽譜の清書業者(浄書業者とも言います)に依頼をし、プロの手で清書版の楽譜を完成させます。

 

なお先に紹介したFinaleを使うと初めから体裁が整った楽譜を製作することも出来るのですが、個人的には可能な限り浄書業者に清書を依頼することをおすすめします。

 

というのは、細かいディティールが楽譜の見易さや演奏しやすさに関わってくるからです。

楽譜を出版した経験がある場合は別かもしれませんが、意外と出版後に細かいところが気になったりするものです。

この過程だけは省略せず、多少の費用がかかってもプロの手で清書をしてもらうことをおすすめします。

なお参考として、清書料は通常のピアノの楽譜であればおおむね1ページ2,500-4,000円程度と言われています。

楽譜自費出版の流れ③:表紙等のデザインを作成する

希望するデザインのデータがある場合は、それを出版社に提出すればOKです。

そうでない場合は、希望のイメージを出版社に伝えておき、デザイナーさんに作成してもらいます。

出版社を使用せず、自分の手で行う場合、デザイン事務所に依頼するか、ランサーズなどのクラウドソーシングサイトでデザインを募集する方法があります。

自分で行う場合は思った以上に時間がかかったりデザインの出し直しで追加費用を取られるなどの事例もよくあります。

このあたりは慣れた出版社に任せてしまった方が安心でしょう。

楽譜自費出版の流れ④:清書した楽譜を印刷所に入稿する

ここは基本的に出版社が行ってくれるので気にしなくてOKです。

 

印刷所で自分で制作したい方は、先に清書した原稿をPDF化し、印刷所に送付すればOKです。

 

ただしPDF化も印刷のフォーマットなどを考えて行う必要があるため、適切なフォーマットは印刷業者に確認してください。

あとは用紙のサイズ、紙質、印刷部数などを決定します。(例:判型B5、表紙本文カラー、上質紙、本文80ページ、200部等)

ただし印刷にも技術があり、不注意な依頼の仕方をすると「本を閉じる位置によって開いた際に見切れた」のような「なんでそんなミスが起こるの・・・」というレベルの冷や汗案件の発生もあります。

従って、個人的には、ここも出版経験豊富な出版社に任せた方が安心な過程だと思います。

楽譜自費出版の流れ⑤:仕上がった楽譜を受け取る(書店流通させる)

印刷所で印刷した場合は、仕上がった楽譜を受け取り、完了です。

出版社の場合は、契約内容にもよりますが、書店流通させ店頭においてもらうところまでが契約であることが多いです。

書店流通の方法や自費出版した楽譜を多く売る方法は後述します。(記事一番下)

楽譜自費出版の流れ⑥:著作権管理者に楽曲の使用許諾をとる

こちらは上記「②楽譜の清書」くらいまでに完了する必要があります。

というのは、出版する楽譜に著作権管理コードを記載する必要があるからです。(JASRACが著作権を管理している場合)

楽譜の出版過程は実は普通の自費出版とほぼ同じなのですが、この楽曲の使用許諾の取得が少々面倒です。

 

(ですので、出版社に代行させた方が断然楽です。。。念の為手続き方法を下記説明します)

 

他人が作成した楽曲を楽譜にする場合、楽曲の作曲者が亡くなってから50年が経過するまでは作曲家に著作権が発生します。

従って、下記のステップで著作権有無を確認し、使用許諾を取り、著作権料を支払う必要があります。

 

■著作権関連の手続きの流れ:
1.楽譜にする楽曲が著作権保護の対象かを調べる
2.著作権の管理団体(ないしは個人)を特定する
3.管理団体の使用許諾を取る
4.管理団体に著作権料を支払う
*なお、自作のオリジナル楽曲を楽譜にする場合は当然この過程は不要です。

個人が著作権を管理する場合、誰がいつ使用したのかを完全に把握することが難しく、無断使用という問題も発生してしまいます。

そこで、JASRAC(ジャスラック:日本音楽著作権協会)という団体が日本国内の多くの楽曲の著作権を一元管理しています。

つまり、大多数の作詞家、作曲家は、このJASRACに著作権を預けて管理を一任している訳です。従って、まずはJASRACに著作権登録があるかを確認します。

これはJASRACの公式ページにある「作品データベース検索」にて確認できます。

「作品データベース検索」
http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/

ここに「楽曲名」「権利者(作曲者名)」「アーティスト名」のいずれかを入力します。

楽曲情報に「出版」という項目があり、ここで著作権保護の対象か確認出来ます。

■以下のどれかのマークがあります。

著作権者名の隣に「J」と書いてある場合、JASRAC経由で著作権者に著作権料を支払う必要があります。

以下のリンクからJASRACに使用許可申請書を提出し(通常3日-1週間で許可)、30日以内に著作権料を銀行振込すればOKです。(金額は後述します)

音楽を使う方 – 出版物などの製作(印刷、コピー等)
https://www.jasrac.or.jp/info/create/publish.html

「x」と記載がある場合は、残念ながら著作権者が楽譜の出版を認めていません。出版を諦めざるを得ないでしょう。

「消滅」と記載がある場合は、著作権はありません。楽曲は許諾申請なく自由に使用することが出来ます。

 

問題は空欄の場合です。

 

空欄ということは著作権者がJASRACに管理を依頼していないということです。

その著作権者のマネージメント事務所や本人公式ページ、音楽出版社を特定し、直接「楽譜の出版をしたいので許可を頂けないか」とお伺いを立てる必要があります。

外国の曲を使う場合は更に大変です。

海外の音楽出版社に英語でメールやFAXを送って使用許可の伺いを立てる必要があります。。

また、外国への支払いは、Paypalや銀行送金が多いようです。(全部自分で行う方は、ここで断念する方も多いようです)

なお、出版における著作権使用料ですが、JASRAC管理の場合以下の計算式が基本となります。

■著作権料の計算式のベース:
楽譜集の定価(税抜)× 発行部数 × 10% = 著作権使用料

例えば、定価1,000円で100部発行した場合は、1,000円×100部×10%=10,000円(税別)となります。

JASRACに著作権管理を一任していない楽曲の場合、著作権者ないしは管理会社との直接交渉になるので、費用支払いは更に大変です。

JASRAC提示の価格は一般的に相場と言われていますが、著作権料は著作権者が言い値で決めることが出来るため、基本的には著作権者のリクエストに従う必要があります。

大変ですね。

 

全部出版社に依頼しましょう。。

楽譜の自費出版にかかる費用はざっくりどれくらい?

ここまで楽譜の自費出版の具体的な過程を見てきました。

この過程全てにかかる費用はどれくらいなのでしょうか。

調べた結果、楽譜の自費出版にかかる費用は一般的に以下のようになっています。

 

■楽譜の自費出版にかかる大まかな費用:

10部 100部 300部 500部 1000部
24ページ 18万円 24万円 40万円 43万円 48万円
40ページ 27万円 36万円 53万円 59万円 65万円
56ページ 35万円 46万円 67万円 71万円 81万円
72ページ 41万円 55万円 80万円 85万円 97万円
88ページ 45万円 61万円 93万円 99万円 113万円

*著作権料のみ計算から省いています。著作権者によっては言い値で支払い義務が生じるため。

上記はあくまでざっくりの料金体系表です。

すでにどこかの出版社での楽譜自費出版を検討している方は、比較対象としてご利用ください。

表紙や印刷の用紙など条件次第で値段は変動しますが、ざっくりの価格感を掴むと比較の観点が出来るためおすすめです。

更にものすごいざっくり説明すると、印刷所を使用し自分で全部行った場合、上記の費用から5-10万円ほど安くなると認識すると正しい相場観がつかめると思います。

従って印刷部数が極端に少ない場合(5部など)の場合は、複雑な手続きがあっても自身の手で自費出版した方が割安かもしれません。

一方で部数が多い場合は出版社に依頼した方が手間に対する費用対効果的にお得です。

楽譜の自費出版におすすめの出版社はここ!

国内に数多くある出版社の中でも特におすすめの出版社は「パレードブックス」です。

 

■パレードブックスの特徴:
・レイアウトが綺麗
・デザインが美しい
・ピースでの出版にも対応

 

パレードブックスは出版資料や表紙のデザイン集も無料で送付してくれるため、まずは無料資料請求をしてみましょう。

 

 

なおピースとは1曲のみの楽譜のことです。

特にピアノやギター、オペラ、吹奏楽などではピースでの需要は大きいため、各社対応をしています。

なお比較対象として専門出版社ではカワイ出版、株式会社アントルプランドル、総合出版社では文芸社などがありますが、比較すると上記理由からパレードブックスがオススメです。

参考:【出版社情報】パレードブックスの特徴と評判、その傾向(メリットとデメリット)

出版した楽譜を書店においてもらう方法

自分の楽譜のチラシを作成し、日本全国の本屋や楽器屋に「新刊情報」として送付する宣伝方法があります。

書店が「この本は需要がある」と思えば、出版社に購入申し込みが来るので、本屋の店頭に置いてもらうことが可能となります。

 

なお、これは個人で行っても良いですが、出版社が全国の書店にコンタクトを持っている可能性もあるので、出版社に依頼した方が効率的です。

 

費用は数万円程度で済むと思います。

なお他にも出版する書籍の宣伝方法は別記事で説明していますので、楽譜には当てはまらないケースもあるかもしれませんが、参考にしてみてください。

参考:自費出版で大ヒット?自費出版の具体的な宣伝方法7選

 

また学校など教育機関と提携することができれば、より多くの人に自分の楽譜を読んでもらうことができます。

私立の学校では個人の営業も可能ですので是非検討してみてください。

まとめ

・楽譜出版の流れはざっくりと原稿作成→清書→表紙デザイン作成→入稿

・かかる費用はクオリティのもよるが20万円~100万円が相場

・楽譜を自費出版するならパレードブックスがおすすめ!

楽譜の自費出版は音楽に関わる人にとって、大きなチャンスになるでしょう。

もちろん簡単なものではありませんし、忍耐と情熱が求められますが必ず大きなリターンが待っています。

そのチャンスをしっかりモノにするためにも、実績のある出版社を利用し素晴らしい楽譜を出版しましょう。

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