出版社に原稿を持ち込みたい!原稿持ち込みのポイントとルール(応募時のあれこれ)
出版をしたければ、出版社に原稿を応募してみよう。
アウトプットとインプットを繰り返し、「書きたいもの」が明確な形になってきたころ。
そろそろ出版社へのアピール方法を考える段階です。
ここからは実際に企画書や原稿を作っていくノウハウや、アプローチ手段の話をしていきたいと思います。
出版までの道に辿り着くには、以下2つのパターンが考えられます。
①ブログやTwitterなどで制作・発表していた文章が注目され、書籍化。
②自分から出版社に持ち込みに行き、無事に企画が通って書籍化。(もしくは投稿して書籍化)
ここでお話するのは、自分から出版社へアプローチをする②の方法です。
自分から出版社へ売り込みに行く場合には、大きく分けて2つの方法があります。
(1)原稿を持ち込む・応募する
(2)企画書を持ち込む
「原稿」と「企画書」は、もちろん全く性質が違うものです。
仕事上では「企画書」という言葉をよく使用する、という方は多くいらっしゃるでしょうが、そのビジネス上の企画書と全く同じものです。
それではまずは「出版社に原稿を持ち込む・応募する」という話から始めたいと思います。
参考:出版社に提出する本の企画書の具体的な書き方(送付状の書き方も)
完成した原稿を出版社に持ち込む・応募する。
出版社は、原稿の持ち込みや応募を受け付けているところがあります。
むしろ、大抵の出版社が新しい書き手を求めているといえるでしょう。
出版社が原稿を募集している場合は、出版社の公式HPや刊行されている本の最後や、挟まっている刊行案内などに情報が掲載されているパターンがほとんどです。
「ここがいい!」という出版社が既に決まっているのであれば、HPや本からまずは情報を探してみましょう。
その中にはページ数や文字数などの詳しい規定も掲載されていると思います。
自由気ままに書いた内容を持ち込みして、その結果分厚い1000ページを超えるような本をいきなり出版してくれる出版社などそうそう存在しません。
ここは、きっちりと各出版社の規定を守りましょう。
出版社によって差がありますが、おおよそ、400字詰めの原稿用紙に200〜400枚程度と規定している出版社が多いです。
少なすぎてもいけませんし、多すぎてもいけません。「原稿を書き上げる」ということには、各出版社の規定に沿ってルールを守る必要があります。
また、「原稿募集中」と大々的に宣伝されている場合は賞が設けられていることも多く、ここに応募することは非常に大きなチャンスです。
惜しくも大賞を逃して、そのときには受賞に至らなかった場合でも、見込みがあると思われればプロからの的確なアドバイスをもらえることがあります。
そしてそのアドバイスに従って手直しを加えれば、出版までの道がぐんと近くなるのです。
賞には大抵の場合、締め切りが設けられていますので、この締め切りに持ち込みや応募が間に合うようまずはスケジュールを組んでしまう、というのも効率的だと思います。
参考:本出版までの具体的な流れ
出版社に持ち込む原稿自体の書き方のルールは?
基本的に、原稿の形にはルールはありません。
守らなければならないのは「400字詰め原稿用紙◯◯枚」という部分、つまりは文字数・ページ数です。
その文字数の範囲内でしたら、実際に原稿を書く用紙には特にルールを定めていない出版社がほとんどだと思います。
そのため、読書感想文に使われるような400字詰めの原稿用紙を何百枚も用意する必要はありません(※用紙やサイズ・行数字数の指定がある出版社もあります。応募要項をチェックしましょう)。
とはいえ、「内容が面白ければそれでいい」という出版社も存在すると思いますが、最低限、原稿自体はパソコンで入力し、プリンターで出力されたものが好ましいでしょう。
いくら自由とはいえ、「読み手(この場合は出版社の担当者のことです)のことを考える」という形が一番大事です。
字数と行数に気をつけながら、文章が読み易い形式で原稿を出力してください。
用紙をケチって、字数も行数もぎゅうぎゅうに詰めてしまうよりは、行間を若干広めに取ってあげると、ずいぶん印象が変わり見やすくなります。
またパソコンで作った原稿はデータがきちんと手元に残る、というメリットもあります。
パソコンが苦手という方も、この機会にタイピングの練習をはじめてみてください。
参考:原稿を応募する(出版社へのアプローチ, 原稿や企画書の持ち込み)
※応募要項の時点で「手書きは不可」としている出版社もあります。
参考:マーケティングを理解した企画書で出版を勝ち取ろう!出版社に持ち込みする企画書の書き方
原稿を持ち込むときは、そもそも持参するべきか?郵送の方が良い?
賞が設定されていない出版社に、自分の書いたものをアピールしたい場合は、原稿を「持ち込む」と書きましたが、これはこのまま「直接持って行って担当者に手渡す」という意味ではありません。あくまでも比喩表現です。
もちろん、原稿は郵送で送ればきちんと受け付けてもらえます。
直接出版社へ足を運んだほうが、誠意が伝わるのではないか?
自分が本を作りたいという熱意が伝わるのではないか?
また、顔を覚えてもらったほうが有利に働くのではないだろうか?
そんなふうに思いませんか?それは、正解でもあり不正解でもあります。
単純に原稿だけを持ち込むのであれば、郵送にするべきです。
もし持参する方が良いと思ったとしたなら、それは間違いです。
あなたは出版社の営業や編集者の立場で者を考えられていません。
出版社の編集者という業種は、とても忙しい仕事です。
その上、毎月大量の原稿や企画書が持ち込まれています。
日々の業務をこなしながら原稿や企画書に目を通す中、わざわざ電話をして予約を取り付け、あえて時間を割かせようとする人など鬱陶しいだけです。
いずれにせよ「これは売れそうだ」と思わず唸ってしまうような宝石の原石のようなものが目につけば、出版担当者が放っておくはずがありませんから大丈夫です。
この観点に気づけなかった方はゲーム理論を勉強してみてください。すごく参考になります。
じゃあ手で持っていっていい場合は?と思うでしょうが、それは、あなたが持参して口頭で説明することで出版社の担当の人にメリットがある場合です。
あなたにとってメリットがあるかどうかで考えてはいけません。
例えば、あなたが本の販促プランのプレゼンを準備していて、出版社の担当者が「出版会議(どの原稿を出版するか決める会議)」でそのプレゼンをそのまま使える場合を考えてみましょう。
担当者は自分の出版会議用の資料作成の手間が割かれるので、直接あなたと会って説明を受けた方が効率が良いかもしれません。
常に相手の目線で考えるようにしましょう。
参考:出版社に送付する企画書の書き方と、持ち込み打診時のメールの書き方(テンプレート)
初めは大きな出版社に持っていくべき?それとも小さい出版社の方がいいの?
出版社の大きさは気にせず、片っ端から応募した方がいいと思います。
もちろん、小さい出版社の方が「倍率」は低いので、採用される確率は高いかもしれません。
しかしながら、これは体感ではありますが、出版社との「相性」というものが少なからず存在すると思います。
ですので、出版社の大きさより、応募した先の担当者やその出版社と相性が合うかどうかの方が重要です。
ちなみに、出版社は当然自社の業績をあげたいのです。売れなくなってしまった、と言われる市場の中でも、何としてもヒット作が、売り上げが欲しいのです。
これは、誰でも名前を知っているような大手の有名な出版社であっても、地方の小さな出版社であっても違いはありません。
したがって、「こんなに有名な大手の出版社になんか相手にされるわけがない……」などと尻込みする必要は全くありません。
面白ければ採用されるので、とにかく気になった出版社には片っ端から応募してみましょう。
なお、1社目への持ち込みがダメだった場合、「どこがいけなかったのだろう?」と作品を研鑽する癖さえつければ、いつかは採用されます。
原稿をよりよいものへと磨き上げながら、順々に次の持ち込み先を探しましょう。