自費出版の費用や原価はいくら?各社比較して予算の相場や目安を把握しよう!
自費出版の費用はいくらか?掴んでおきたい相場観!
自費出版で最も気になる話題と言えば、出版にかかる費用のお話。
この記事では以下の点を把握することで、いざ出版社から見積もりをとった際に、
その値段の妥当性の判断を下す手助けとなればと考えています。
◼︎この記事のポイント
①一般的な予算の目安(価格帯)を把握すること
②自費出版の価格の構成要素を把握すること(制作費、校正費、装丁費、宣伝販促費、流通費etc)
③契約前に気をつけておきたいポイントを把握すること
参考:自費出版をする出版社はどうやって決めたら良いのか?自費出版先の選び方とおすすめの出版社まとめ>>
自費出版にかかる費用を出版社ごとに比較してみました!
自費出版の費用は実際いくらくらいかかるのでしょうか。
ネット上で見積もりができるいくつかの出版社より価格を取得し、比較してみました。
まずは以下にて自費出版の費用の目安を把握しましょう。
■P社の見積もり例:
■O社の見積もり例:
■T社の見積もり例:
大まかにページ数や発行部数を揃えて見積もりを取ってみました。
上記を元に、例えば「200ページ、発行部数1,000部、ハードカバー」の条件で見積もりを比較すると、かかる費用には以下のように開きがあることがわかります。
■200ページ、発行部数1,000部、ハードカバーの見積もり例:
P社:90万円
O社:125万円
T社:160万円
全然違いますね。
ただし、これだけで「よし、P社に依頼しましょう」としてはいけません。
一見、かなりの開きがあるように見えますが、かかる制作費や校正装丁費、宣伝販促費など幾つかの要素によって、見積もりに差が生じている可能性があります。
■自費出版の費用に影響するその他の要素:
・編集費:出版社が編集をどの程度手厚くしてくれるのか・校正費:校正は何回/何文字まで行ってくれるのか
・装丁費:レイアウト、装丁、印刷方法や印刷用紙等のその出版社の標準仕様
・宣伝費:流通させる書店の範囲、陳列方法や営業の程度感
他にも、ゴーストライターを入れる場合、イラストを入れる場合、用紙にこだわる場合など、制作費が掛かる要素はいくつもあります。
従って上記のような細かい条件を揃えてはじめて、正確な費用の比較が可能になります。
当然こだわればこだわるほど高くなります。
まずは最低この程度はかかるという相場観を押さえておくことで、出版の際の判断基準を持つことが出来るので、頭に入れておきましょう。
なお、最低費用という点では、下記の通りです。
■自費出版の最低費用
書店流通なし:想定部数 100部 → 10〜30万円
書店流通あり:想定部数 1,000部 → 100〜200万円
また、参考までに見積もりを取る際の例を下記に書いてみました。
下記のようになるべく条件を揃えて見積もり取ると適切な比較ができます。
■見積もり例:
ジャンル:小説
サイズ :四六判
書籍体裁:ハードカバー
カラー :カバーカラー印刷・本文1色印刷
デザイン:プロによる装丁デザイン希望
ページ数:300ページ
印刷部数:1,000冊制作
商業出版の費用に関する定説 〜原価および出版社の価格設定はどうなのか? 〜
「また商業出版の費用がどの程度なのか」も前提知識として知っておいて欲しいと思います。
商業出版では、印刷や制作にかける原価は定価の3割というのが定説です。
その他、著者の印税は最大で1割、残りの6割は書店に払う販売費、取次会社に支払う流通費、そして出版社の編集費・校正費・装丁デザイン費、印刷用データ作成費、広告費(宣伝費)です。これらを差し引いた分が出版社の売上です。
例えば1,000円の本を5,000部数刷って、仮に売れたと仮定すれば、売上が500万円に対して、本の原価は150万と言った感じです。(つまり、原価の3倍程度が出版費用になります)
この考えをベースに書籍の価格が設定されているということを認識しておきましょう。
この費用相場を理解しておけば、事前に適正な予算目安がいくらかご自身で試算することが出来ます。
費用の構成要素にはどのようなものがあるのか
やや繰り返しですが、少々詳細に説明します。
自費出版の価格が決定されるには、以下の構成要素があります。
■原稿状態:
執筆済み/執筆中、手書き/文字データ
■仕様:
発行部数、ページ数、サイズ、カラー/モノクロ、装丁、帯、印刷方法、印刷用紙
■役割分担:
編集の程度感、校正の程度感、流通の有無、書店営業の有無etc…
多くの要素が絡み合い、特に役割分担での編集や営業の程度感は、事前に把握し辛い特性もありますので、綿密な比較はなかなか難しいかもしれません。
例えば、編集にかかる費用は、だいたい編集者が月に1冊付きっきりであれば通常30〜50万円程度が相場、大手と呼ばれる出版社であればさらに割高に設定される場合もあります。
一方で、片手間程度であれば5万円でも高いでしょう。
そのため、金額が高いと感じた場合には事前にその出版社の評判や口コミを調べておくことが肝要と言えます。(当サイトにも個別出版社別のレビュー記事があります)
それにより高いなりの理由が分かれば納得して執筆に集中できますからね。
トラブル回避のために、知っておきたい費用に関するチェックポイント
ここまでの内容をまとめてみたのでご参照ください。
■出版契約をする前に気をつけたい3つのポイント
・事前に自ら条件を決め、相見積もりを行い比較をすること
・契約前に出版社の評判は調べておくこと
・費用に上限を設け、それに合わせて調整していくこと
相場感を持ち、適正な費用で出版を出来るよう応援しております!