書店販売レベルの漫画を自費出版すると費用はやっぱり高額?電子書籍のコミックやKindleだと安く出来る?
書店販売レベルの漫画(単行本)を自費出版すると幾らかかる?
漫画やコミックを自費出版したいという方は実は多いです。
・自分の漫画を記念に書籍化したい
・サークルや団体内のイベントで使いたい
・ネット販売したい
・コミケで販売する作品を作りたい
・Kindle本として販売したい
目的によって書籍に求める品質も違うと思いますが、それぞれ幾らくらい費用がかかるのでしょうか。
まずは紙媒体で発売する場合の自費出版料金を調べてみました。
■ケース1:サークルなど団体での配布用途を想定
ハードカバーA5
本文モノクロ 50P
流通なし 20部
表紙モノクロ、装丁自作、校正1
約3万円
■ケース2:コミケ販売用途想定
ソフトカバーA5
本文モノクロ 150P
Amazonで販売 100部
表紙カラー、装丁自作
約9万円
■ケース3:ネット販売用途想定
ソフトカバーA5
本文モノクロ 150P
Amazonで販売 300部
表紙カラー、装丁自作、校正1
約40万円
■ケース4:紙媒体での書店販売を想定
ソフトカバーB6
本文モノクロ 150P
委託配本希望 1000部
表紙カラー、装丁デザイナー依頼、校正2
約130万円
このように本の質や販売部数によって費用は大きく変わります。
実際に週刊少年マガジン連載作品のような、プロレベルの漫画単行本を出版するのであればそこそこ費用は掛かります。
一方で本の冊数を少なくしたり、紙の質を落としたり、校正を入れないことで、費用は抑えることが可能です。
自らの本の出版目的や、どの程度の品質を求めるのかをまずは明確にすることで、そのかかる費用も見えてきます。
参考:出版されている本がいわゆる自費出版かどうかを判断することはできますか?
自費出版する漫画の値段設定の仕方。Kindle本なら安くすべき?
出版するマンガの値段設定で頭を悩ませている人も多いと思いますが、これは実際に販売されている価格を参考にするのがおすすめです。
まず、書店やAmazonで販売するのであれば、同じくらいのページ数の他マンガに値段を合わせるのがベターです。
一般的に少年誌系の漫画であれば400-600円、青年誌系であれば600-1,000円程度が相場と言われています。
同人誌会場でのみ販売する場合は少々都合が違います。
同人誌会場でのみ販売する書籍は、通常別のルートから入手することが出来ない書籍であることが多いので、値段が比較的高くても売れる傾向にあります。
著者の人気度などにもよりますが、相場価格は800-1,500円です。
kindleで販売する場合もやや事情が異なります。
アマチュアの漫画家のコミックであれば、Kindleでは99〜200円と低価格での販売が多いです。(最低販売価格が99円)
Kindleのようなネット販売の場合は、製紙代や配送料等が掛からないこともあり、極端な話制作費実質0円も可能です。
そのため販売価格もかなりの低価格となっています。
これを広告宣伝のチャンスと捉えて、極端な低価格で出品している漫画家もいるようです。
そのような漫画家は、自らのWebサイトやPixivなどに無料で漫画を公開し、別の有料漫画を購入させることで収益を得ている場合が多いです。
有名どころで言うと、Oneの「ワンパンマン」がこれに当たります。
当然値段設定は他人に合わせなければいけない訳ではありません。
実際のところ、希少性を出すために1冊5万円で出品し、少ない冊数を販売するという戦略を取る漫画家も過去にいたようです。
売り切る自信があるようであれば、このような戦略を取るのも面白いかもしれません。
参考:自費出版の印税はどのくらい?商業出版とどっちが得なのか?損益分岐点は何冊?
電子書籍で漫画を自費出版する場合どういう手順になる?
電子書籍で漫画を自費出版する手順は下記の通りです。
*AmazonのKindleにて自費出版をする手順を記載しています。他のWebサービスから自費出版する場合も手順は大きく変わりません。
①データ変換
*自分の書いた漫画を、電子書籍データに変換します。データの対応形式はMOBI形式かEPUB形式がよく使われます。
②Amazonのアカウントの登録
*通常のAmazonアカウントで登録が可能です。
③本の詳細入力
*言語の設定や著者情報、あらすじ、対象年齢などを登録します。
④アップロード
*表紙のアップロードやプレビュー用のページ設定も行います。必要な画像等を準備をしておく必要があります。(Amazon Kindleの場合は表紙等もKindleのページで作成が出来ます)
⑤販売価格の設定
販売価格の設定が終われば、登録完了です。
電子書籍サイトは多く存在しますが、電子書籍のシェア40%を占めているkindleが個人的にはおすすめです。
電子書籍の出版費用は安いのか?自費出版した電子漫画でしっかり売り上げることは出来るのか?
電子書籍の場合、漫画を安く自費出版することが可能です。
掛かる費用も校正費やデザイン費程度で、全て自分で行えば0円です。
出版手続きが手間と感じる場合は、出版手続き代行業者を使用することも可能ですが、これでも2万円程度です。
電子書籍での自費出版が、マンガの最も費用のかからない出版方法といえるでしょう。
しかしながら、同時に安物買いの銭失いになる可能性もあるので、注意が必要です。
実際無名著者がKindle等電子書籍で自費出版をしたところで、1冊も売れないというケースがほとんどです。
自らがTwitterで有名など、販売チャネルを持っていないようであれば、電子書籍での自費出版は個人的にオススメは出来ません。
仮に電子書籍での出版を検討しているとしても、出版有無はともかくとして、一度プロの出版社に相談をした上で比較して決めた方が後悔せずに済むと思います。
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パレードブックスはデザインにも強みを持つ自費出版専門の出版社です。
資料請求は無料です。
マンガの出版に関する知識や出版までの流れを把握する意味でも、本の出版に興味のある方は、こちらの出版パンフレットを入手し、比較対象に活用することをお勧めします。
コラム:有名漫画アプリで連載にこぎつければ儲かる!
書籍の電子化に伴って漫画アプリが市場を席巻しています。
マンガUPやマガジンポケットなどが有名です。
マンガアプリ1話あたりの閲覧料金は小さいものの、一度読み始めたら最後まで読みたくなってしまうのがマンガというもの。
紙の漫画と比べて印税率が格段に良いこともあり、意外と無視出来ない収入といえます。
小説家になろうやエブリスタなどで良い作家を探し、面白い作品を見つけたらコンタクトを取ってみましょう。
タッグを組んで漫画アプリデビューを目指してみるのも一つの手と言えます。
出版社に先に見つけられてしまうと、出版社の紹介で漫画家が決まってしまうため、このような作戦も意外と重要だったりします。
コラム2:SNSで無料公開が出版への近道!
SNSが普及するにつれて、漫画をTwitteなどSNSで公開する人が増えています。
例として、きくちゆうきさんの「100日後に死ぬワニ」 や pandaniaさんの「ねこようかい」は有名です。
メリットとして、出版する前に読者の反応がわかること、話題になれば自費出版時にスムーズに話が進んだり、場合によっては商業出版のオファーがくることもあります。
何よりコストがかからないので、自費出版前のお試しとしてやってみるのもひとつの手ではないでしょうか。
コラム3:自費出版で出版した漫画はビレバンに置いてもらえるのか?
サブカル系の雑貨や書籍がおいてあることで有名なビレッジヴァンガード。
個人が大手書店に交渉して本を置いてもらうことは通常非常に難しいですが、実はビレッジヴァンガードは店舗ごとに個人交渉して置いてもらうことが可能なようです。
意外と盲点ですね。