編集者に「採用したい」と思わせる出版希望者の特徴
「この無名の人が書く本をつくりたい」と思わせる出版希望者の特徴:
「本を出したい」という夢をあきらめる必要はありません。
これまで「ちゃんとした文章を書いたことがない」という人にも、本出版のチャンスはあります。
なぜなら、初めて本を出した人のなかで、その前に本を書いたことがあった人はひとりもいなかったからです。
しかも出版社の編集者たちは、そういった「執筆の素人」が書いた本で一発当てたいと思っています。
ベストセラー作家の本を編集しても、売れるのは決まっているからです。そんな仕事、つまらないでしょ。
少なくとも私は、地方の小さな出版社で編集の仕事をしていたころ、そう思っていました。
出版社の編集者たちに、「この無名の人が書く本をつくりたい」と思わせる出版希望者の特徴をお教えします。
「すれ」ていないことは重要:
出版社には、「このような話を本にしたいのですが、いかがでしょうか」という出版希望者からの問い合わせが定期的に訪れます。
もちろんほとんどは執筆の素人です。
執筆素人さんからの持ち込みでは、すでに8割がた書きあげた原稿を持ってくる人もいますし、A4一枚の企画書を郵送してきたり、面談して口頭で話の流れを解説する人もいます。
執筆素人からの持ち込み対応は、複数の編集者が持ち回りで担当するのですが、私は好きな仕事でした。
というのも、やはり「本にしたい」という情熱を抑えきれない人が書く文章や話というのは、熱を持っているからです。
ただ「すれ」ている人は苦手でした。
初対面の面談にも関わらず、こちらが少しでも興味を示すと、印税や発売日の質問をするような人です。
私のことを「編集さん」と呼ぶ人も好きではありませんでした。
私は誰と話すときでも、編集者として会っているときは必ず名刺を渡していたので、「さん付け」で呼んでほしいと思っていました。
陳腐さを消しているか:
「すれ」ている人は初対面の時点で、「これまで大手出版社にことごとく断られてきた。
だからとうとうこんな小さな出版社にまで足を運ぶことになったんだ」という気持ちが、顔や態度や口ぶりに出ていました。そしてそういう人の文章や話は、大体は陳腐でした。
ですのであなたは、出版社にデモ原稿や企画書を持ち込む前に、いま一度「陳腐でないか」確認してください。
できれば家族や友人にデモ原稿や企画書を読んでもらい、感想を聞いておくといいでしょう。家族や友人の感想は「読者の気持ち」と考えてかまいません。
家族や友人からダメ出しされた部分を修正するだけでも、陳腐さを消すことができます。
まとめ〜「本を出したい」より「伝えたい」が大切:
本の企画書を持ち込んできた執筆素人さんのなかで、私が2回目の面談を設定したのは「伝えたい」気持ちが強い人でした。
渡されたデモ原稿がいわゆる「下手な文章」でも、そこに熱量が感じられたら、編集者としての血が騒ぐんですね。
だから私はあなたに、「本を出したい」と思うのではなく、この事実を、このエピソードを、この物語を「伝えたい」という思いを大切にしていただきたいと思います。
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