出版社に採用されるのは実は簡単?元外資コンサルが解説する未経験でも内定獲得出来る就職の裏技
大手出版社は倍率100倍以上?最難関の出版社から内定を貰う裏技を公開!
出版社から内定を貰うのは非常に難関と言われています。
実際、就職活動では出版業界は非常に人気の業界の一つ。
他の業界と比較しても出版業界の年収は比較的高く、職種にもよりますが、最大手出版社3社(= 三大出版社:小学館、集英社、講談社)の30歳での平均年収は750-850万円とも言われています。
日本人全体の平均年収が30歳で400万円台であることを考えると破格です。
また、出版社若手男性社員はその給料の高さから合コンや飲み会でも大人気。
仕事自慢が多い、恋愛慣れしているなど批判されることもありますが、出版社勤務の男性にはモテる人材が多い事実の裏返しかもしれません。
多くの採用希望者が殺到するのも当然と言えます。
事実、採用応募の受験倍率もトップクラスに高く、最大手出版社3社の倍率は100倍以上とも言われています。
実際に採用情報が公開されている講談社の採用ホームページを見てみると、なんと2020年の新卒は倍率129倍。。。
受験者数 | 通過人数 | 通過率(内定率) | |
書類選考 | 2,712人 | 1,131人 | 41.7% |
筆記試験 | 1,028人 | 600人 | 58.3% |
一次面接 | 577人 | 222人 | 38.4% |
二次面接 | 216人 | 75人 | 34.7% |
三次面接 | 73人 | 25人 | 34.2% |
総務面接 | 24人 | 24人 | 100.0% |
最終面接 | 24人 | 21人 | 87.5% |
最終倍率 | 129倍 |
小学館と集英社は採用倍率を公開していませんが、その他大手有名出版社も当然倍率は高いです。
また、規模が大きくない専門出版社は採用数自体が少ないことから、こちらも競争が非常に激しいと言われています。
実際に大量に出版社の募集要項を取り寄せWebエントリをし、全てにESを出したものの、全落ちだった、という話も度々耳にします。
では、そんな出版業界から内定を貰う裏技はあるのでしょうか。
結論から言うと「実際に出版をすること(1冊だけの自費出版でOK)」です。
ちなみに上記は圧倒的に最強の就活攻略法です。
その理由は2つ。
「他の人がやらない方法で自分を差別化しているから」かつ「出版社の社員の観点を理解出来、誰にも否定出来ない明確な志望動機を作ることが出来るから」。
事実この記事のライターである私は現在20代後半ですが、上記の方法で、数年前に外資コンサル、五大商社、電博、有名外資メーカーなどから軒並み内定を獲得しています。
その具体的方法を下記解説していきます。
参考:本の出版に向いている人、向いてない人の4つの特徴。本の著者適正チェックをしてみよう!
大手出版社は学歴フィルターがある?出版社はエリートしか入れない?
本題に入る前に、まずは学歴フィルターについて見てみましょう。
面接の対策をどれだけ行っても、どれだけ資格を取得しても、学歴フィルターに引っかかってしまってはどうしようもありません。
これは推測になりますが、学歴不問、資格不要と書いていても、大手出版社は学歴フィルターを使用しています。
当然と言えば当然です。
出版社は激務のため、なるべく採用活動にかける時間は少なくしたいもの。
そう考えれば、偏差値の低いFランや無名大学の学生は全て学歴フィルターで弾き、偏差値の高い高学歴エリート学生を面接に進める・・・これは経営効率的にも業務効率的にも正しい姿だと言えます。
数多の無名大学の中にキラリと光る学生が一人いたとしても、数百万、数千万円の採用活動費を掛けてその1人を見つける手間をかける必要があるのか、ということです。
これに関してはどうしようもないので、現在高校生の方は勉強を頑張って絶対に足切りに合わない難しい大学に入学するようにしましょう。
一般的にはマーチレベル以上、確実なのは早慶以上と言われています。
どの学部が有利というのは特にありませんし、理系でも問題ありません。
強いて言えば、働きたい職種次第ではありますが、商学部や経済学部がオススメです。
「文学部が有利なのでは?」と思いがちですが、実はそんなことはなく、企業の立場からすれば「会社に利益を与えることの出来る人材」を欲しており、面接官(将来の同僚)の立場で言えば「一緒に働きたい人材」が欲しい訳です。
会社としては、本好きや漫画好きが欲しい訳ではないので、そこは誤解しないようにしましょう。(もちろん好きに越したことはありません)
現在大学生や社会人の方は、当然ながら学歴を短期的に変える方法はないので、なるべく多くの出版社にESを送り、選考フローに乗る事を祈るしかありません。
ただ学歴フィルター以外の理由でESが落とされるのは勿体無すぎますので、ESは徹底して優秀な社会人と出版社社員に添削してもらうようにしましょう。
■優秀な社会人:
社会人経験があり、ビジネス的な観点で物事を見ることが出来る、論理的な人物。
■出版社勤務:
出版社の観点を知っているので、ESを見て「これは出版社受けするな/しないな・・・」という判断が出来る。
ESは唯一他力本願が出来るフローです。最大限活用しましょう。
え、出版社勤務の知り合いなんていない?
大丈夫です。
記事後半でその探し方も説明します。
参考:自費出版の費用はいくらかかるのか。各社比較から予算の適正相場や目安を把握しよう!
インターンやアルバイト未経験では出版社採用内定は難しいのか?
もう少しお付き合いください。
「出版業界未経験では出版社に就職出来ない」
「インターン経験がないと出版社は難しい」
「出版社でアルバイトは絶対しておくべき」
良く上記のようなことを耳にしますが、これは「出版社勤務経験があると選考を突破しやすくなる」ということ言っているにすぎません。
ただ、何故アルバイトやインターンなど、出版業界での経験があると選考を突破しやすくなるのでしょうか。
それは、出版社にて働いた人間は、出版社社員の感じ方や考え方を知っているからです。
採用面接の際に出てくる面接官も「出版社の社員」な訳で、つまり面接官は将来の同僚候補を面接している訳です。
最終的には「こいつと一緒に働きたいなあ」と言う人を採用します。(エンジニアなど明確にスキルや能力を求められる業界は別)
従って、出版社社員と接した経験を元に、出版社社員に「こいつと一緒に働きたいなあ」と思わせることが出来れば、面接は突破出来るのです。
■補足:新卒の場合、実務能力は全く重要ではありません。
「頭が良く能力が高くないといけない」→最低限で十分
「学歴がないといけない」→足切りされなければ十分
「本が好きじゃないといけない」→志望動機に筋が通っていれば必要なし
「出版社勤務経験がないといけない」→志望動機に筋が通っていれば必要なし
しかしながら、あなたは現在出版社勤務経験もなければインターンもアルバイトもしていない。ではどうすれば良いか。
参考:大学生でも出版は可能か?22歳(大学4年生)で出版した私が解説します。
最強の出版社就活対策。1冊でもいいので出版をしておこう。
そこでおすすめするのが自分の本の出版です。
本を出版するということは、出版社社員と一緒に仕事をする機会を得れるということ。
出版社の社員の考え方を直に体感しつつ、本1冊が出来上がるまでの業務フロー全てを学ぶことが出来ます。
■補足:最低限出版社の業務フローを知っておくことは重要:
ネットで検索して知ることも出来ますが、ふわっとした理解になってしまいます。1冊本を出版することで、リアルな実体験を元にしっかりと理解することが出来ます。
アルバイトやインターンとして出版社で働く場合は、「出版社社員の観点」しか知ることが出来ませんが、本出版によって著者の立場から出版社社員に接することで、著者の観点も身に付けることが出来るというメリットもあります。
その意味で、本出版は実はアルバイトやインターンよりも出版社就活において優位な方法なのです。
別記事で解説しますが本を出版するのは実は誰でも出来ます。
仮に今すぐ出版する本の原稿がなかったとしても、まずは取り急ぎ出版社に「本を書いてみたいと思いますが・・・」と相談してみれば良いのです。
最悪面接時に出版されていなくとも、「今、出版に向けて執筆中で、出版社とやりとりしています」と言うことは出来ますし、恐らくその時点で出版社の観点をかなりのレベルで理解してきている、面接の会話の中のふとした場面で、面接官に「ああ、こいつは出版社の観点をわかってるやつだな」と感じさせることが出来るでしょう。
出版する本がベストセラーになる必要はありません。
私も当時出版した本がありましたが、当然100万冊も売り上げた訳ではありません。自費出版で1冊の本で十分です。
要は、自分の本を書いて、出版社社員と一緒に業務を進めるという体験をすることが非常に価値ある経験になり得るということです。
*こちらから文芸社の出版に関する資料請求が可能です。
資料請求は無料なので、本の出版に関する知識や出版までの流れを把握する意味でも、本の出版に興味のある方は、こちらの出版パンフレットを入手しておくことをお勧めします。
出版活動時に知り合った担当者に色々質問させてもらおう。
なお出版活動時に通常接するのは、出版社の営業と編集者になりますが、出版社にはそれ以外の役割の社員も在籍しており、当然役割ごとに仕事内容も違います。
■出版社の職種の例:
営業(広告営業、著者営業、ルート営業、新規開拓営業)、編集者、広報、デザイナー、総務、事務、税務、経理、人事etc
恐らく大手出版社の新卒であれば総合職採用になると思いますが、もし希望の職種があるのであれば面接の場でアピールすることになるはず。
それが営業や編集である場合は、本出版時の担当の営業さんや編集さんに色々質問してみるのもありです。
そしてそれ以外の職種であれば、担当の営業さんや編集さんに該当する職種の社員の紹介をお願いしてみるのも一つの手です。
「実は出版社に就職したいので、色々質問させてくれませんか?」
著者であるあなたは出版社から見たらお客様。
恐らく色々便宜を図ってもらえることでしょう。
その機会を活用し、様々な質問をすることで、実質OB訪問・OG訪問をこなした以上の知見を得ることが出来ます。
せっかくですので、彼らが就職活動をしていた際の志望動機や自己PRの内容も、直接質問して聞いてみましょう。
これらの話は、本命の出版社との面接官との重要な会話の材料になります。
説明会や合同説明会、OB・OG訪問にて入手出来る情報の何百倍も濃い価値ある情報です。
そしてこれらの体験で得た情報を、自らの志望動機に転用しましょう。
実際に出版活動を通して出版社の社員と仕事をした。
その結果、出版社の方々の人柄が本当に好きで、私も出版社で働きたいと思った。
面接官はこの志望動機を絶対に否定することは出来ません。
なぜなら語っているのは「あなたの感じたこと」であり、それが明確に志望の理由に直結しているからです。
「そんな感情、思ってないよね?」
「出版社の方々の人柄が好きなら、印刷会社で働けばいいんじゃないの?」
そんなこと言えるわけありません。流石に無理がありますよね。
インターンやアルバイトでの経験も同様ですが、出版社と仕事をした実体験は、最強の志望動機です。
色々突っ込んだ質問をされても、あなたの本出版および出版社社員との関わりをベースに、全て回答すれば全く問題ありません。
参考:自費出版をする出版社はどうやって決めたら良いのか?自費出版先の選び方とおすすめの出版社まとめ
出版したという事実自体が最強の差別化になる。面接官の興味を惹くフックになる。
更にこの「出版実績を作る」「出版社社員との関わりから志望動機を醸成する」という裏技は、実はほとんど用いている人がいません。(過去に一人も見たことがありません)
「出版した奴がいる」
その意味で、強烈な印象を面接官に残すことが出来ます。
また「出版」は心理学でいうところの「フック」になります。
「出版したんですよ」
もしあなたが誰かにこう言われたら、どんな本を出したか聞きたくなりませんか?
面接官は間違いなく、本の内容に関しあなたに質問してきます。
逆に言うと、あなたはその質問が来ることが分かっているわけですから、質問に対する回答を事前に準備することが可能です。
もはや、イージーゲームですよね。
どう言う理由でどんな本を出したかを説明し、そのエピソードがあなたのことを魅力的にアピール出来るものになっていれば、なんなく次の面接のフローに進むことが出来るでしょう。
参考:大学生こそベストセラーを狙おう。普通の大学生こそベストセラーが出しやすい理由を解説します。