出版社の具体的な仕事内容まとめ
出版社の仕事は大きく分けて「編集」と「営業」
出版社で働いてみたい!
出版業界って実際はどんな仕事をしているの?
こんな疑問を持ったこともあるのではないでしょうか。
「出版社」という業種はメジャーですが、内部の業務は、あまり一般的には知られていません。
例えば「出版社」と一言で言っても、その時点でかなり差があるのです。
講談社。小学館。集英社。誰もが名前を知っているような大手の出版社から、10人前後の人員で構成されている中小企業の出版社。そして社長がひとりで編集者と営業を担当している、という小さな出版社もあります。
どれも共通して行われているのは、もちろん「本を出版する」ということ。
ですので、基本的な業務は下記に分けられると思います。
・取次や書店との交渉を主に行う営業
・原稿を集めたり作者と直接関わり合い、企画や制作に直接携わる編集
ただ、これを一つの部署でまかなっている会社ももちろんあります。
●編集部はどれくらい忙しい?実際の業務内容は?
「舟を編む」という小説をご存知でしょうか?
松田龍平主演で映画化もされましたので、そちらだけでも見た、という方もいらっしゃるかもしれません。
ある出版社の編集者たちが、新しく刊行することになった辞書の編纂メンバーとして辞書編集部に配属され、辞書の完成を目指すというストーリーです。
辞書は、完成までに数年の時間を要します。
この物語の中に、ファッション雑誌の部署からやってきた女性の編集者が出てきます。
この女性は、辞書編集部に配属されてきた当初、(登場人物の個性のためでもありますが)戸惑っていました。
・辞書を編集していく仕事。
膨大な量の日本語に抜けがないよう、一つ一つ日常生活の中からも単語を拾い上げ、「誰もがわかるような」解説文を考えていくという、気の遠くなるような作業。
・ファッション雑誌を編集する仕事。
ファッション雑誌の編集部の仕事は、特集の企画、キャッチコピーや原稿のアイディアを練ったり、モデルや衣装を手配。
同じ出版社の中でも、部署が違うだけでこれほど業務の内容が違うので、編集部の仕事を「こうです!」と言い切ることは非常に難しいです。
ただ、どこの部署でもある程度のセンスや文章力、交渉能力、コミュニケーション能力など、様々なスキルが要求されることと、そして体力も精神力も必要とされ、かつ非常に多忙なお仕事であることは間違いありません。
あくまでも小説なので極端かもしれませんが、この「舟を編む」の中に出てくる主人公などは、プライベートな時間でも仕事のことで頭がいっぱいです。
編集部の企画から大ヒットが生まれることも
編集部の仕事として、ただ原稿を受け取ったり校正を行ったりするだけではなく、「企画」の立案から始めることがあります。
編集部の企画から思いがけないヒットが生まれることがあります。
最近ヒットした企画というと、女性雑誌の付録が挙げられます。
付録がオマケというよりは、付録がメインになっているようなものがありますよね。
ブランドのトートバッグやポーチを付録として発売するというアイディアは、今の「雑誌が売れない」「本が売れない」という現状に打ち勝った大ヒット商品でした。
営業部の具体的なお仕事は?
ある程度の規模の出版社には取次や書店と直接交渉を行う「営業」を担当とする社員がいます。
(出版社に直属の担当者ばかりではなく、営業に関する業務を委託しているケースもあります)
営業員は、見本を持って販売店に出向いたり、各書店を回り、新刊の案内をしたり、また「この店舗ではどういった本がよく出ているか」という情報を直接書店員から集めたりしています。
そして、その情報を企画会議に持ち帰り、どうすれば利益が出るような本が出来上がるか、そして自社の本をこれからどうやって売っていくか、受注の量を増やしていくかを考えることが営業の仕事になります。
自らの足を使って様々な書店を歩き回るため、体力とコミュニケーション能力が必要とされ、かつ常に「どうしていけば利益を出せるか」という課題を念頭に頭をフル回転させていなければなりません。
積極的な営業さんは、「自社の本でこういう特集コーナーを作ってみませんか?」というような提案と、実際にPOPを持ってきてくれることもありました。
出版社というと、つい「作る」「出版する」という面にばかり意識が向いてしまいがちです。
しかし、利益が出なければ当然会社は倒れてしまいますので、出版社においてこの「営業部」というのはとても重要な部署です。