自費出版と同人誌の違い
「自費出版」と「同人誌」とは?:
印刷所に直接製本を依頼し、ISBNコード(バーコード)をつけない状態で製本されたものを「同人誌」と呼ぶことがあります。
同人誌とは、その言葉通り「同好の人が集まって資金を出し合い、制作する本」のこと。
古くは明治時代、文学界の中で流行しており、夏目漱石や正岡子規などが参加した「ホトトギス」もこの同人誌のひとつです。
今では主に、版権もの(マンガやアニメ・小説など)のファンによる二次創作・パロディ作品、またアマチュアの作家の創作の場とされていることが多く、
「同人活動」「同人誌」と呼ばれるものは、一般的にはこちらの意味で使われることがほとんどです。
これらの同人誌はほとんどのものがコミケ(同人誌即売会)と呼ばれるイベントで販売されています。
「コミケ」という言葉は今はかなりメジャーになり、大型のイベント時にはニュースにもなっているので、知っている人も多いかもしれませんね。
実際に、2016年夏のコミックマーケットの累計入場者数は50万人を超えたと言われており、日本経済から見ても非常に大きな活動のひとつとなっています。
また、そういったいわゆる「オタクの活動」の他、ポエムや詩、歌集などの文学ジャンルを支援する文学フリマと呼ばれているイベントもあります。
残念ながら、こうした形態で作られた「同人誌」はジュンク堂や紀伊国屋など、大小問わず通常の書店に並ぶことはほとんど不可能です(バーコードがついていないので、流通できません)
身内に配りたい、何かの記念に作っておきたい、という方には非常にオススメできる方法です。
印刷所に依頼して作る本や同人誌のデメリットは?:
自費出版の中でも、特に出版社を介さない印刷会社へ印刷・製本を依頼する場合は、
「すべてを自分でやらなければいけない」ということがデメリットとして挙げられるでしょう。
出版社に依頼した自費出版や企画出版の場合は、本文・表紙のデザインにも専門の担当者がいるので、作者自身は「原稿を書く」ということだけに集中していられます。
しかし、同人誌を含む「印刷所に製本を依頼する」というケースになると、料金は格安になりますが、その分本文のデータ・表紙のデータをすべて自分で作成しなければなりません。
本文のデータはMicrosoftWordで何とかなると思いますが、それでもある程度ソフトウェアに対する知識がなければいけません。
表紙に至っては、デザインセンスとソフトウェア(有名なものとしてはAdobePhotoshopやIllustratorなど)が必要になってきます。
ソフトウェア自体も高額なものが多く、また、スキルも必要です。
※adobePhotoshop&Illustratorに関しては体験版があるので、興味がある方は一度DLしてみてもいいかもしれません。
しかしこれらはプロの現場でも使われているソフトなので、難易度は高めです。
そういったデザインが苦手といった人のために「表紙をデザインします」というサービスを提供している印刷所や、表紙のデザインだけを請け負ってくれるデザイナーもいます。
どちらにしてもある程度パソコンやソフトウェアに関する知識が必要とされてきますので、「パソコンはとても苦手だ」という人には、少しだけハードルが高いかもしれません。