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自費出版は本当に書店流通するのか?5つの販売ルートとマーケティング戦略を解説!

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自費出版本は本当に有名書店の店頭に置いてもらえるのか?

本を自費出版した際、販売数を伸ばすため、様々な販売方法を検討すると思います。

■自費出版にて検討する販売方法の例:
– 書店流通させ、有名書店の店頭に置いてもらう

– コンビニや生協などで販売してもらう

– Amazonなどでネット販売する

– イベントやセミナーで直販する

このように自費出版本には様々な販売方法があり、販売ルートや流通方法も複数考えられます。

この中でも「有名な本屋に置いてもらう」方法が、一般的に販売数を最も伸ばす販売方法です。

それゆえ、多くの自費出版本の著者は有名書店への書店流通を希望されますが、同時に下記のような疑問を抱くようです。

■自費出版をする方が書店流通に関し持つ疑問:

①きちんと有名書店に配本されるのか
②しっかり本屋の店頭においてもらえるのか?
③宣伝や販促(販売促進活動)はちゃんとやってもらえるの?

④有名書店に置いてもらうには何が有利な要素になるのか?

端的に結論だけ書くと、以下の通りです。

■結論:

有名書店に配本されるかどうかは取次会社次第
出版社の営業努力と力関係次第で可能性は多少上がる。商業出版か自費出版かはそこまで関係ない。
本屋の店頭においてもらえるかどうかは本の内容次第。
本屋もビジネス。本屋の書店員が売れそうな本を店頭に置く。従って書店員に「この本は売れそうだ」と思わせる必要がある。
宣伝や販促をちゃんとやってくれるかは出版社次第
契約内容を確認し、どのような宣伝や販促をやってくれるのかを確認する必要がある。

有利になる要素は表紙のデザインと本の内容、webやSNSでの前評判があるとなお良い
本の内容はもちろん、ファーストインプレッションを上げるため質の高いデザインが大事。

またマーケティングの観点で、webやSNSで読者から高評価を得られていれば書店側も配本がしやすくなるので、内容の一部を事前公開するのもアリ

上記を理解し、販売数を最も伸ばす手段で書店流通させるには、書店流通に関する背景知識を少々勉強する必要があります。

誤った販売方法や不適切な出版社から出版した場合、書店流通もせず、本が売れ残る羽目にもなりかねません。

この記事に必要な知識は全てまとめてありますので、以下読み進めて適切な販売方法を確認してください。

自費出版した書籍は以下の5つの販売ルート(流通方法)がある

出版した書籍には、大きく以下の5つの流通ルートがあります。

■出版した本の流通先:

①書店での店頭販売(本屋に置いてもらう)
②ネット販売(Amazon、直販など)
③著者直接販売
④国会図書館への献本
⑤一般の図書館への蔵書

なお、このうち③の「著者直接販売」以外は、ISBNコードの取得が必要です。

*ISBNコードは書籍特定番号のことで、この13桁の番号をバーコード化して本に記載すると、一般の書店やネットでの販売が可能となります。

参考:出版後の本の流通ルートまとめ

販売ルートその1:書店での店頭販売(本屋に置いてもらう)

書店流通させ店頭に置いてもらうことを希望する場合、以下のどちらかの販路に乗る必要があります。

①委託販売:
大手取次提供の物流ネットワークを利用し、日本全国の大手書店へと配本してもらう流れです。

発売日に書店の店頭に一定数が陳列されるため、本の存在を沢山の人にアピール可能となりますが、あなたの本をどこの書店に何冊配本するかは取次会社が決めるため、取次会社に「これは売れる!」と思わせる本を書く必要があります

なお補足ですが、取次会社は配本数や配本先を「書籍の見本」を元に決めるため、取次会社に見本を納品する必要があります。

②書店への販促:

出版社に依頼し、書店にFAXやDMを送付して営業をしてもらう流れです。場合によっては書店へ足を運んでもらい直接営業をしてもらうこともあります。なおその結果、全国の書店から注文があった場合、出版社から書店に書籍を送付することで書店に書籍が並びます。

参考:実際に出版した本は書店でどのように陳列されるのか?「棚差し」「平置き」とは?
参考:著者が自ら行う書店への営業は有効か?

販売ルートその2:ネット販売(Amazon、直販など)

Amazon楽天などのネットショップへの出品による販売です。

基本的にネットショップはAmazon一強なので、Amazonだけに出品すれば十分でしょう。

これはISBNコードさえ取ればハードルは高くありません。

また出版社によっては出版社の公式ページで販売する場合もあります。

また自分のサイトやSNSアカウント経由でネット販売する手法もあります。

参考:初心者作家に必須の小説の書き方準備の基本 おすすめ書籍も紹介!

流通ルートその3:著者直接販売

著者公式ページやSNSでの販売や(= ネット販売)、著者開催のセミナーなどでの販売方法です。

サイン会での販売もこれに当たります。

著者がビジネス本を出してセミナーを開催するケースは意外と多く、出版する本の性質次第ではこの販売ルートで数百冊を売り上げることもあります。

参考:コスパ最強!トップ1%の成功者が行うブランディング出版・企業出版(カスタム出版)とは?各社の比較表とオススメ出版社も紹介!

流通ルートその4:国会図書館への献本

国立国会図書館法により、日本では基本的に国内で発行された全ての出版物を国会図書館に納入することが義務付けられています。(納本制度)

従って、皆さんが出版した本はしっかりと国会図書館に保存されることになります。

正確には販売ルートではありませんが、流通方法の1つとして参考までに記載致しました。

参考:図書館は本の販売を妨げているのか?

流通ルートその5:図書館への販売

全国の公共図書館や学校図書館と連携した「図書館流通センター(TRC)」という企業があります。

この企業が購入を決めると、多数の図書館に納品するため大量の本を購入してくれます

見逃しがちですが、図書館流通センターへの販売は意外と侮れない流通方法です。

出版の際は、出版社がこの販売ルートを抑えているかどうかをしっかりと確認するようにしましょう。

参考:なぜ普通の人こそ出版すべきなのか?ほとんどの人が出版を諦める理由:

自費出版の書籍は本当に有名書店に書店流通するのか?有名書店に配本してもらいやすくする方法とは

ここまで各流通方法を確認してきて、改めて気付いたかと思いますが、書籍が有名書店に流通するかどうか商業出版・自費出版に関わらず、取次会社と出版社次第と言えます。

改めて説明すると、書店に並んでいる本は全て以下の2通りのルートより仕入れられた本です。

■書店に並んでいる本の仕入れルート:

①取次会社(卸業者)経由で仕入れた書籍
②書店が出版社に直接注文を掛けて仕入れた書籍

書店に配本されている本のほとんどは「①取次会社(卸業者)経由」の流通ルートにて仕入れられます。

既に説明の通り、書籍をどの書店に何冊配本するのかは、取次会社に決定権があります。(書店流通冊数決定権)

従って出版社が取次会社に「この書籍は大手書店に配本してください」と依頼したところで、取次会社が聞き入れなければ有名書店には並びません。

その意味でも、ある程度交渉力のある大手出版社に書籍を出版しておくことが望ましいです。

出版社が取次会社に対する発言力を持っている場合、取次会社も出版社に配慮して大手書店にあなたの自費出版書籍を流通させてくれる可能性が上がります。

参考:出版取次とは?出版取次の具体的な事業・業務内容を分かりやすく説明します

有名な本屋の店頭においてもらうには、本のクオリティをあげるしかない。

次に「②書店が出版社に直接注文を掛けて仕入れるケース」ですが、これは「この本は売れるだろうから店頭に置きたい!」と有名書店のオーナーや書店員が判断することによってあなたの本は本屋の店頭におかれます。

また、その本が顧客の目に付くエリアに配本されるかどうかは、完全に書店員の判断、つまり本のデザインやタイトル、内容次第と言えます。

出版社に書店への販促(FAXやDMの送付、書店への直接営業)をしてもらうことは出来ますが、結局のところ本を注文するかどうかを判断するのは書店側。

こればかりはあなたの作品が以下に優れているかが全てです。

強いて言えば、販売促進活動や宣伝に秀でている出版社を選ぶ、デザインセンスのある出版社を選ぶことくらいは出来るかもしれません。

自費出版で言えば、自費出版の販売実績やベストセラー実績が多い出版社(文芸社など)や、デザインセンスの良い出版社(パレードブックス)などを選ぶと良さそうです。

*補足:
ちなみに「書店法人別売上」はざっくり以下の通りです。

下記の書店に販路を持っている出版社を選ぶと良さそうです。契約前にきちんと出版社にヒアリングしましょう。

■書店法人別売上ランキング(東洋経済新報社のデータによる):

①紀伊國屋書店
②ジュンク堂書店
③丸善書店
④くまざわ書店
⑤三省堂書店
⑥ブックファースト
⑦文教堂書店
⑧有隣堂
⑨TSUTAYA
⑩八重洲ブックセンター

参考:本出版希望者必見!出版社の仕事を編集者が解説します その1

マーケティング戦略:書店流通前にSNSなどで事前に公開して読者の反応を得る

ここまで出版社、取次会社、書店員について述べてきましたが、

共通して言えることはどのステップでも「あなたの本をオススメしてもらえるかどうかが重要」ということです。

ではどうすればオススメしてもらえるか、SNSなどで事前に書籍の内容を一部公開して、読者から高評価をもらってしまえばいいのです。

読者から評価を得ている証拠があれば、出版社も取次会社も書店員も安心してあなたの本を前に推しだすことができます。

もちろんSNSは読者の意見がダイレクトに分かりますから、公開することが怖い気持ちもわかります。

しかし、もし評判が悪かった場合は内容やデザインを修正すればいいのです。

通常マーケティングやアンケートにはお金がかかるものです。しかしSNSであれば無料ですから、コスト面でもやらない手はないでしょう。

(出版物が完成してしまった後でも、次の作品への改善点として、読者の貴重な意見をゲットできることはメリットでしかありません)

本屋においてもらうまでにかかる出版各諸経費の割合は?

参考までにこちらも見ていきましょう。

というのは、流通の形態によっては一部の経費を削減出来る可能性があるからです。

ここを理解しておくと、悪質な出版社に不要な費用を請求されるリスクを回避することが出来ます。

本の単価にもよりますが、1冊を1,500円とした際の大体の費用の割合は以下の通りです。

■出版費用における大体の各経費の割合:
・著者印税 10%
・出版社収益(出版経費、本の保管料含む) 40% *自費出版の場合はここも著者印税になります。
・書店及び取次の収益 40%
・書籍配送料 10%

ここから分かる通り、取次や書店を通さない販売形態であれば著者印税を大きくするよう出版社と交渉可能です。(例えばAmazonでのみ販売すれば取次費用が掛らず著者の収益率は上がります)

この辺りの知識も是非頭に入れて出版社と会話をするようにしましょう。

参考:出版社にあなたの本を出したいと思わせる方法>>

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